Sonny Rollins / Next Album

LPのライナーノーツで児山紀芳氏が1982年10月20日付けで次のように書いている。「36歳で『イースト・ブロードウェイ・ラン・ダウン』を吹き込んでからのロリンズは"次のアルバム"までになんと6年もの歳月をかけた。自己の音楽に厳しい恐るべき真剣さといわねばなるまい」。果たしてそうだろうか。前作を録音した66年当時のロリンズは、迷いに迷っていたはずだ。

それはコルトレーンとの差別化であった。にもかかわらず、67年7月にコルトレーンが他界した翌年、ヨーロッパでの公演(68年9月6日、コペンハーゲン)でトレーンの曲Naimaを演奏している。つまり、このアルバムに辿り着いたのは、「恐るべき真剣さ」ではなく、トレーン後に自己に課せられたジャズの道しるべを示さざるを得なかった、と解釈したい。確かに、トレーン死後に彼の音楽を追従するサックス奏者が多くあったが、ロリンズは自分の道を再確認して歩み始めた、その第一歩がこのアルバムである。

児山氏の解説を読み直したところ、2曲目のPoinciana(ポインシアナ)の録音をきっかけにグループの演奏が好調子になったとある。所有するアルバムで、この曲を収録しているのは他に2枚のみ。アーマッド・ジャマルのBut Not For Me(58年1月録音)、キース・ジャレットのWhisper Not(99年7月録音)。正直、ジャマルの演奏が一番シビレル。

1. Playin' In The Yard
2. Poinciana
3. The Everywhere Calypso
4. Keep Hold Of Yourself
5. Skylark

Sonny Rollins - tenor saxophone (tracks 1,3-5), soprano saxophone (track 2)
George Cables - electric piano (tracks 1,2), piano (tracks 3-5)
Bob Cranshaw - bass (tracks 2-5), electric bass (track 1)
Jack DeJohnette - drums (tracks 1,4)
David Lee - drums (tracks 2,3,5)
Arthur Jenkins - congas, percussion (tracks 1,3)

Recorded on July 14 & 27, 1972 in NYC.

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