2枚組みのアルバムにしてもおかしくない演奏内容であるが、当時のブルーノートはそういう企画をほとんど考えていなかったようだ。決して第2集の内容が第1集に劣っているわけではない。1955年11月23日の4回のセットで演奏された曲から順不同でアルバムのイメージを作り上げ、編集作業を進めたように思う。つまり、第1集と第2集は、それぞれ独立した形での完成度を高めたことになる。
しかし、それは作り手のロジック。聴き手のことを考えていない。2枚を同時に発売したのだから、例えば、収録曲から第2集だけを購入すると言う人は、まずいないだろう。セット前半を第1集、後半を第2集にするか、ブルース曲を中心に第1集、バラード曲を中心に第2集というような工夫が必要だった。名演奏を名盤にするには、聴き手の立場に立ったレーベルの姿勢が大事である。
1. Announcement by Art Blakey
2. Sportin' Crowd
3. Like Someone In Love
4. Yesterdays
5. Avila And Tequila
6. I Waited For You
Hank Mobley - tenor saxophone
Kenny Dorham - trumpet
Horace Silver - piano
Doug Watkins - bass
Art Blakey - drums
Recorded on November 23, 1955 at The Cafe Bohemia, Greenwich Village, NYC.