山下洋輔 / Picasso

洋輔のアルバムは40枚近く所有しているが、このアルバムはワーストに近い。心が揺さぶられないのだ。ヨースケの面白さは想定外にある。10人ものミュージシャンが集まったので、それぞれがまとめようとしたと想像する。まとめればまとめるほど、ヨースケの音楽はつまらなくなる。ピカソという題材を持ち出したのだから、もっと奇想天外な演奏をしてもよかったはず。さらに、1曲目のみのライブ演奏は、たまたまPAからラインアウトしてカセットテープに録音したもの。アルバムとしての一貫性はない。

CD化でトラック5から9の5曲が追加され、その「奇想天外」を期待したが、残念ながら期待外れだった。このアルバムの録音から1年後、83年7月のハイデルベルガージャズテージで演奏したPicassoは、「パブロ・ディエゴ・ホセ・フランチェスカ・デ・パウラ・フアン・ネポムセーノ・マリア・デ・ロス・レメディオス・クリスピン・クリスピニアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ」のピカソだった。

1. Introduction - First Bridge
2. Leavin' And Laughin'
3. Call Of Dawn
4. Picasso
5. Another Picture
6. The Other Picture
7. Knocking Darkness
8. Several Encounters And The Pilgrim
9. Tae's Theme

山下洋輔 - piano
川端民生 - bass
村上ポンタ秀一 - drums

Track 1
ペッカー - percussion
Tracks 2 - 9
岡野等 - trumpet
粉川忠範 - trombone
松風鉱一 - alto saxophone
武田和命 - tenor saxophone
ボブ斉藤 - tenor saxophone
杉本喜代志 - guitar

Track 1
録音1982年8月9日(六本木ピットイン)
Tracks 2 - 9
録音1982年8月31日 & 9月1, 4 & 5日(テイチク堀之内スタジオ)、9月9 & 18日(テイチク会館スタジオ)、9月10日(サンライズ・スタジオ)

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