山下洋輔 / Montreux Afterglow

1曲目はアルバート・アイラーのGhostsだが、ただのGhostsではない。坂田明が「赤とんぼ」を放り込み、さらには雄叫びまで飛び出してしまう。ジャズが持っている自由さ、奥深さ、そしてスピードと奔放さ。坂田の真骨頂がここにある。西洋人から見れば、このアルバムのジャケットはまさしく「ヤクザ」。演奏に腰を抜かし、ジャケットで恐れおののくだろう。1976年7月9日、日本のジャズがヨーロッパで勝利した日。この日を祭日にしよう!

ライナーノーツで野口久光氏がこう書いている。「山下洋輔トリオの演奏、山下洋輔の主張する音楽のすばらしさを適確に言葉で表すことはかなりむずかしいのだが、彼のもつオリジナリティ、演奏によって自分自身を百パーセント表現しているその姿勢がまず好きだ。彼の音楽はいうところのフリージャズの範疇に入るジャズだが、彼の音楽にはこの系列のジャズに多い難解さ、独善的なところがなく、きいていて爽快で心たのしくなる」。同感。「爽快ジャズ」なのだ。

1. Ghosts
2. Banslikana

Yosuke Yamashita / 山下洋輔 - piano
Akira Sakata / 坂田明 - alto saxophone, vocal
Koyama Shota / 小山彰太 - drums

Recorded in live on July 9, 1976 at Montreux Jazz Festival, Casino De Montreux, Switzerland.

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