ウェザー・リポートの彼らは、このアルバムの録音を通して解放されたのだろうか。もちろん、グループで曲をまとめていくためには、それなりの制約があるのは当たり前だ。そういうことを承知の上で、解放された音楽ができたかが大事だと思う。
本作は、明らかにリズム重視のコンセプト。しかし、それは多数の楽器を積み重ねる事とは違う。例えば、富樫雅彦のパーカッション・ソロでも十分に「リズム=鼓動」を感じ取れる。ここでのウェザー・リポートは、リズム重視を楽器・音の密度を高めることと勘違いしている。スーツケースに、溢れる荷物を詰め込み蓋をして、録音作業から解放されたウェザー・リポート。蓋を開けた聴き手は、飛び出してきたガラクタに呆れるだけだ。
1. Boogie Woogie Waltz
2. Manolete
3. Adios
4. 125th Street Congress
5. Will
6. Non-Stop Home
Wayne Shorter - saxophones
Josef Zawinul - piano, electric piano, synthesizer
Miroslav Vitous - bass, electric bass
Andrew White - electric bass, English horn
Herschel Dwellingham, Eric Gravatt - drums
Muruga Booker - Moroccan clay drums, roller toy, Israeli jar
Dom Um Romao - percussion, wood flute
Recorded on February 3 - 7, 1973 at Connecticut Recording Studio.