Weather Report / Domino Theory

ボーカルをフィーチャーした曲から始まる。そういうコンセプトかと思って聴いていると、ボーカル入りは1曲のみで終わってしまう。さらに、2曲目と3曲目は、大阪厚生年金ホールでのライブ演奏らしいが、拍手は消されていて、録音日は不明。こういうザヴィヌルの行為が許せない。それを黙認したであろうショーターもしかりだ。

録音場所、録音日なんか関係ないだろうと言うのがザヴィヌルの主張なのだろう。だが、聴き手はそれらを手掛かりにして、自分との時間軸と距離感でアルバムを聴くのだ。この録音から2年後にウェザー・リポートは解散。過去を引きずり、引き際を誤ったザヴィヌル。自分勝手なDomino Theory(ドミノ理論)で、「ウェザー・リポート」という遺産を台無しにしてしまった。

1. Can It Be Done
2. D Flat Waltz
3. The Peasant
4. Predator
5. Blue Sound-Note 3
6. Swamp Cabbage
7. Domino Theory

Wayne Shorter - saxophones
Joe Zawinul - keyboards, synthesizers
Omar Hakim - drums
Victor Bailey - bass
Jose Rossy - percussion
Carl Anderson - vocals (track 1)

Recorded: Kosei Nenkin Hall, Osaka, Japan; The Music Room, Pasadena, California; The Sound Castle, Los Feliz, California.
Released in February 1984.

Weather Report / Procession

この時期のウェザー・リポートは、非常にポップな感覚で、フュージョンと呼ぶのも不自然なイメージになっていた。ジョー・ザヴィヌルがやりたかった音楽なのだろうけど、ウェイン・ショーターはよく我慢したなぁと思ってしまう。アルバムタイトルなんて時には何の意味もないのだけれど、ザヴィヌル一人のProcession(行進)という感じだ。ポップな音楽なので、多くを語っても仕方なく単に好き嫌いの世界。

さらに、4曲目のWhere The Moon Goesでは、マンハッタン・トランスファーが参加。所有する輸入盤CDには解説も歌詞カードもなく、どういう内容の歌なのか分からないが、バックコーラス的な位置づけでしかない。たった1曲のために、4人組を巻き込んだ理由が分からない。そして、詳細な録音データはなく、1982年の半年間を費やした模様。のんびりとした「行進」なのだ。

1. Procession
2. Plaza Real
3. Two Lines
4. Where The Moon Goes
5. The Well
6. Molasses Run

Wayne Shorter - tenor saxophone, soprano saxophone
Josef Zawinul - keyboards, synthesizers
Omar Hakim - drums, guitar, vocals
Victor Bailey - bass
Jose Rossy - percussion, concertina

The Manhattan Transfer (Cheryl Bentyne, Tim Hauser, Alan Paul, Janis Seigel) - vocals (track 4)

Recorded in July - December, 1982.
Released in Spring 1983.

Weather Report / Weather Report [ARC]

響くものがない。挑戦的な雰囲気もなく、フレーズが単に流れていく感じ。このやる気のなさが、アルバムタイトルやジャケットにも表れていて、何の工夫もない。さらには、録音データの詳細も明らかにされていない。

使えそうな音源を集めてアルバムにしたのだろう。なので、一曲一曲は悪くない。だが、方向性は何も見えない。明日の天気は、雨のち晴れときどき曇り。そんな感じ。ジャコ・パストリアスは、このアルバムを最後にウェザー・リポートを脱退。まぁ、分かるような気がする。

1. Volcano For Hire
2. Current Affairs
3. N.Y.C. - Part 1: 41st Parallel - Part 2: The Dance - Part 3: Crazy About Jazz
4. Dara Factor One
5. When It Was Now
6. Speechless
7. Dara Factor Two

Wayne Shorter - tenor saxophone, soprano saxophone
Josef Zawinul- electric keyboards, piano, clay drum, drum computer, percussion, voice, horn, woodwind
Jaco Pastorius - bass guitar, percussion, voice
Peter Erskine - drums, drum computer, claves
Robert Thomas, Jr. - percussion

Recorded in 1981 at The Power Station, NYC.