チック・コリアの超定番アルバムReturn To Foreverが録音されたのが、1972年2月初め。その一ヶ月後、スタン・ゲッツ名義の本作が録音されている。どちらもニューヨークの同じスタジオ。5曲目のLush Lifeを除いてコリアの作品。そして、La FiestaとCrystal Silence(CDでのボーナストラック)が重複している。さらに、コリアのみならず、スタンリー・クラーク、アイアート・モレイラがどちらのアルバムにも参加。
ゲッツ名義でなければ、Return To Foreverの続編的な位置づけ。Return To Foreverのプロデューサーはマンフレート・アイヒャー。本作はゲッツ自身である。ゲッツとコリアは、どのような経緯(いきさつ)で本作を企画したのだろう。ゲッツはコリアの才能を借りたかった。コリアは売れるアルバムが欲しかった。72年6月、モレイラを除いたメンバーでモントルー・ジャズ・フェスティバルに出演している。だが、72年中にReturn To Foreverはリリースされ、大きな注目を浴びた。で、コリアのディスコグラフィーによると、モントルーを最後にゲッツとの縁を切っている。「金の切れ目が縁の切れ目」的なアルバムなのだ。
1. La Fiesta
2. Five Hundred Miles High
3. Captain Marvel
4. Times Lie
5. Lush Life
6. Day Waves
7. Crystal Silence
8. Captain Marvel [alternate take]
9. Five Hundred Miles High [alternate take]
Stan Getz - tenor saxophone
Chick Corea - electric piano
Stanley Clarke - bass
Airto Moreira - percussion
Tony Williams - drums
Recorded on March 3, 1972 at A&R Studios, NYC.