LPのライナーノーツで、青木啓氏はこう解説している。「サラ・ヴォーンはCBSコロンビアで、1949年1月から53年1月までの4年間に、68曲録音した。それらの中から代表的名唱を12曲セレクトして編んだのが、このアルバム。それぞれのレコードはSP、あるいは45回転シングル盤としてつくられたもので、かなりコマーシャルな企画の匂いがするし、ストリング入りのオーケストラがバックとなっているものもある。しかし、サラのボーカルは見事なものだ。バップの洗礼を受けた新しいコンセプションによる表現の魅力があり、すでに完成されたサラのオリジナリティが各曲に輝いている」。
青木氏が言う「コマーシャルな企画の匂い」とは何だろう。いわゆるベストアルバムは、どれもコマーシャルな企画である。そんなことよりも、アルバムタイトルを1曲目に収録されたAfter Hoursとしてしまったことが問題。オーケストラのバックでゆったりとした雰囲気に仕上がっているので、After Hoursという雰囲気ではない。このアルバムがリリースされたのは1955年。そして、61年9月にルーレットから同名のアルバムがリリース。こちらはAfter Hoursが収録されていないが、ギターとベースをバックにサラが歌い、その雰囲気が十分に出ている。
1. After Hours
2. Street Of Dreams
3. You Taught Me To Love Again
4. You're Mine, You
5. My Reverie
6. Summertime
7. Black Coffee
8. Thinking Of You
9. I Cried For You
10. Perdido
11. Deep Purple
12. Just Friends
Tracks 1 & 5 ... Recorded on June 1, 1951.
Track 2 ... Recorded on March 19, 1952.
Tracks 3 & 12 ... Recorded on July 7, 1949.
Tracks 4 & 6 ... Recorded on December 21, 1949.
Track 7 ... Recorded on January 20, 1949.
Track 8 ... Recorded on July 20, 1950.
Track 9 ... Recorded on September 28, 1949.
Track 10 ... Recorded on September 5, 1950.
Track 11 ... Recorded on April 4, 1951.