このアルバムを聴いて改めて思う。アルバート・アイラーの根っこはブルースではない、マーチ(行進曲)だ。一歩一歩、足を前に出して自分自身の魂を揺さぶりながら演奏していく。そんなイメージが浮かぶ。単純にフリージャズという枠組みでは語れないアイラー。
それを一番感じるのは、2曲目のHoly Familyなのだが、2分13秒で終わってしまう。しかし、1966年11月のアルバムLorrach Paris 1966では11分17秒。さらに、70年7月のアルバムNuits De La Fondation Maeght 1970では11分45秒。どちらもフランスでのライブで、ヨーロッパの観客に受け入れられ、アイラーは思い切り吹いたのだろう。
アイラーを聴かなくてもジャズは語れる。だが、アイラーを聴かないとジャズに酔えない。
1. Spirits Rejoice
2. Holy Family
3. D.C.
4. Angels
5. Prophet
Albert Ayler - tenor saxophone
Charles Tyler - alto saxophone
Donald Ayler - trumpet
Call Cobbs - harpsichord (track 4)
Henry Grimes - bass
Gary Peacock - bass
Sunny Murray - drums
Recorded on September 23, 1965 at Judson Hall, NYC.