左チャンネルはオーネット・コールマン、ドン・チェリー、スコット・ラファロ、ビリー・ヒギンズ。右チャンネルはエリック・ドルフィー、フレディ・ハバード、チャーリー・ヘイデン、エド・ブラックウェル。LPのライナーノーツで悠雅彦氏は次のように解説している。
「コールマンがスコアした部分は、モティーフになるパートと、ソロ・パートが変化するところだけであり、あとはソロイストのオーダーを決めておいただけであった。このような大まかな構成を柱にしたフリー・インプロビゼーションが、その結果すばらしい統一体をつくりだしたのである。36分余の長い時間にわたって、各ミュージシャンが、その瞬間瞬間において最もふさわしい音を選びだすという過酷な作業に徹底した」。ちなみに、LPでは両面通じて36分23秒だったが、CD化で37分3秒となり、さらに17分ちょうどのファーストテイクが追加された。
悠氏は過酷な作業と評しているが、ドルフィーは本作の録音を終えた当日、自分名義のアルバムFar Cryのセッションに臨んでいる。Googleマップで調べたことろ、本作のアトランティック・スタジオからヴァン・ゲルダー・スタジオまではハドソン川を超えて10.3マイル。車で16分と表示された。「フリージャズかぁ。大事なことは心の解放だろうな。自分が発した音は、その瞬間にもう取り戻せないのだから」とドルフィーはハドソン川を渡りながら思ったのではないだろうか。
1. Free Jazz
2. Free Jazz [first take]
* Left channel
Ornette Coleman - alto saxophone
Don Cherry - pocket trumpet
Scott LaFaro - bass
Billy Higgins - drums
* Right channel
Eric Dolphy - bass clarinet
Freddie Hubbard - trumpet
Charlie Haden - bass
Ed Blackwell - drums
Recorded on December 21, 1960 at Atlantic Studios, NYC.