ジャズ研時代に聴き込んだアルバムの一つ。LPでは最終曲だったLittle Trainが一番のお気に入りだった。何度も聴いてカセットに録音し、ウッドベースの練習を繰り返した。この曲の余韻で終わるのが特徴。ところが、CDでは別テイクの2曲がLittle Trainの後に配置され、アルバムとしての雰囲気をぶち壊している。別テイクを追加するのは良いが、アルバム全体の構成を考えるべきだろう。
LPのライナーノーツは久保田高司氏が担当。「このアルバムにある昂奮は研ぎすまされた剃刀の刃のようにシャープな知的昂奮なのである。そしてそれが聴き手を充分な音楽の酩酊へと誘うことも確かなのである。〈中略〉サム・ジョーンズという経験豊かなベース奏者の職業的冷血と、エルステッド・ペデルセンという洋々たる未来をもった若きベース奏者の職業的熱血とがたくみに反映し、たくみに渾然とした極上のジャズアルバムなのである」。「知的昂奮」や「職業的云々」の言葉は気になってしまうが、「研ぎすまされた剃刀」という表現は納得。1976年11月24日付けのノーツであって、この年の4月にジャズ研に入部。リアルタイムで聴いていた証拠。
1. Falling In Love With Love
2. A Notion
3. Giant Steps
4. I Fall In Love Too Easily
5. Miss Morgan
6. Au Privave
7. Yesterdays
8. Little Train
9. A Notion [take 1]
10. Miss Morgan [take 2]
Niels-Henning Ørsted Pedersen - bass
Sam Jones - bass
Philip Catherine - guitar
Billy Higgins - drums
Albert Tootie Heath - percussion
Recorded on February 15 & 16, 1976.