McCoy Tyner / Looking Out

岡崎正通氏のLPライナーノーツから抜粋。「このアルバムに針を下ろした時に多くのファンは、ある種の戸惑いを感じるかもしれないが、演奏が進むにつれてやはりマッコイ・タイナーは、いまゝでのマッコイ・タイナー以外の何物でもないのだということを実感してゆくことだろう。僕自身はこのアルバムを、いまゝでのマッコイ・タイナーの音楽の延長上にあってしかもいまゝで考えられなかったようなミュージシャン達と一緒にレコーディングした、彼の新たな意欲の表れであると捉えたい」。

一方、CDのライナーノーツ。原田和典氏は、このアルバムに参加したフィルス・ハイマンとカルロス・サンタナについて多くを語っている(2015年8月付け)。評論家とは因果な商売である。岡崎氏が本音で書いたとは思えない。マッコイ・ファンの多くが、このアルバムを「意欲の表れ」とは決して受け取らないはずである。原田氏について言えば、録音から30年以上経っても、このアルバムの位置付けを評価できず、二人のミュージシャンを語るしかなかった。

結局のところ、MilestoneからColumbiaへレーベルを移籍後、アルバムThe Legend Of The HourとLooking Outをリリースしたものの、Columbiaを去っている。この時期、マッコイが意欲的にアルバム制作に取り組んだとは思えない。Columbia在籍のサンタナとは、無理やり共演させられたのだろう。

1. Love Surrounds Us Everywhere
2. Hannibal
3. I'll Be Around
4. Senor Carlos
5. In Search Of My Heart
6. Island Birdie

Gary Bartz - alto saxophone
Carlos Santana - guitar
Charles W. Johnson, Jr. - guitar
Denzil Miller - synthesizer
James W. Alexander - synthesizer
McCoy Tyner - piano, synthesizer
Stanley Clarke - electric bass, double bass
Buddy Williams - drums
Ndugu Leon Chancler - drums
Ignacio Berroa - percussion
Gerry Gonzalez - percussion
Phyllis Hyman - vocals

Recorded in May 9 - April 22, 1982.

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