McCoy Tyner / Summertime

ちょっとややこしいアルバム。オリジナルレーベルはTimelessで、マッコイ・タイナーの作品Bon Voyageをタイトルにしてリリースされた。国内盤はALFA RECORDSからのリリースで、タイトルはSummertimeに変更。そして、国内盤が逆輸出されるとSummertime (Bon Voyage)の括弧付きになってしまった。所有する国内盤ジャケット裏には、エグゼクティブ・ディレクターとして木全信(きまた まこと)氏の名前があり、何かを仕掛けたのだろう。

まぁ、タイトルのことは良しとして、力強いマッコイのピアノトリオを満喫できるアルバム。だが、1987年録音であることを前提にすると、新鮮さをあまり感じない。例えば、5曲目のマッコイ作Jazz Walkは、アルバムEnlightenment(73年録音)、そしてアルバムThe Legend Of The Hour(81年録音)に収録されたWalk Spirit, Talk Spiritと曲想が全く同じで、焼き直しに他ならない。堂々と昔の曲をピアノトリオで挑戦すべきだった。アルバムタイトルが2種類、曲名も2種類というお粗末な話。まぁ、Executive(エグゼクティブ)なんて、自分の解釈とすれば「余計な奴」という意味でもあるのだ。

1. Bon Voyage
2. Summertime
3. Don't Blame Me
4. You Stepped Out Of A Dream
5. Jazz Walk
6. How Deep Is The Ocean
7. Yesterdays
8. Blues For Max

McCoy Tyner - piano
Avery Sharpe - bass
Louis Hayes - drums

Recorded on June 9, 1987 at Studio 44, Monster, Netherlands.

McCoy Tyner / McCoy Tyner With Stanley Clarke And Al Foster

最近、このアルバムの存在をネット上で偶然に最近見つけ、マッコイ・タイナー、スタンリー・クラーク、アル・フォスターによるトリオならば聴いてみようと購入。現時点では、マッコイのディスコグラフィーには掲載されていないので、忘れ去られた一枚とも言える。その理由は2つある。

まず、メンバーをアルバムのタイトルしただけで、明確なコンセプトが感じられない。そして、TELARCというマイナーなレーベルからのリリース。クラッシク音楽からスタートし、デジタル録音が売りのレーベル。本作のジャケット内には、録音機材の情報が詳しく記載されている。全11曲、65分35秒。音は最高だし、演奏も申し分ない。だが、いま一つ迫力に欠ける。デジタル録音することが目的だった感じがするのだ。マッコイ作I Want To Tell You 'Bout Thatは、エレキベースとウッドベースの2バージョンを収録していることからも、そんな気がする。

1. Trane-Like
2. Once Upon A Time
3. Never Let Me Go
4. I Want To Tell You 'Bout That [Electric Bass Version]
5. Will You Still Be Mine
6. Goin' Way Blues
7. In The Tradition Of
8. The Night Has A Thousand Eyes
9. Carriba
10. Memories
11. I Want To Tell You 'Bout That [Acoustic Bass Version]

McCoy Tyner - piano
Stanley Clarke - bass
Al Foster - drums

Recorded on April 27 & 28, 1999 at Clinton Recording Studio "B", NYC.

McCoy Tyner / Plays John Coltrane

コルトレーンが他界したのは1967年7月17日。それから30年が過ぎた97年9月23日、なぜにマッコイはコルトレーンに捧げるライブをビレッジ・バンガードで行ったのだろうか?・・・と疑問に思っていた。よく調べてみると、コルトレーンは1926年9月23日生まれ。存命であれば、この日は71歳の誕生日だったのである。

ただ、コルトレーンのディスコグラフィーを見ると、ジョージ・ムラーツとアル・フォスターはコルトレーンとのセッションを一度も経験していない。彼らの演奏に不満がある訳でなく、コルトレーンと縁があったベーシストとドラマーでないことが残念。なお、ジャケットには収録曲とコルトレーンのアルバムが記載されている。選曲の理由なのだろう。

1. Naima
  - Giant Steps (1959, Atlantic)
  - The Complete 1961 Village Vanguard Recordings (1961, Impulse!)
  - Live At The Village Vanguard Again! (1966, Impulse!)
2. Moment's Notice
  - Blue Train (1957, Blue Note)
3. Crescent
  - Crescent (1964, Impulse!)
4. After The Rain
  - Impressions (1963, Impulse!)
5. Afro Blue
  - Live at Birdland (1963, Impulse!)
6. I Want to Talk About You
  - Lush Life (1957, Prestige)
  - Live at Birdland (1963, Impulse!)
7. Mr. Day
  - Coltrane Plays the Blues (1960, Atlantic)

McCoy Tyner - piano
George Mraz - bass
Al Foster - drums

Recorded on September 23, 1997 at The Village Vanguard, NYC.