マッコイのマイルストーン・レーベルでの第1作はSahara(1972年1月録音)。その後、Song For My Lady, Song Of The New World, Enlightenmentと続き、このSama Layucaは74年3月の録音。この期間に、日本独自企画のEchoes Of A Friendを録音している。まさしく快進撃。誰も止めようがなかった。さらに、Atlantis, Tridentと続いて、金字塔Fly With The Wind(76年1月録音)で頂点に立つ。
これらのアルバムは、参加メンバーが固定化されていないことに注目すべきだろう。アルバム毎にマッコイは構想を練り上げ、楽器編成とミュージシャンを選定していったことが分かる。Sama Layucaで最も効果的な楽器は、ボビー・ハッチャーソンのヴァイブとマリンバ。だが、先に挙げた他のアルバムでは、ハッチャーソンは参加していない。イメージが同じになるようなアルバムは決して作らないというマッコイの意思の表われなのだろう。ちなみに、悠雅彦氏のライナーノーツには、74年9月のモンタレー・ジャズ祭でのマッコイへの取材で、Sama Layucaとはアメリカとメキシコとの国境沿いにある町の名前とマッコイの説明があったそうだが、Googleでは検索できなかった。
1. Sama Layuca
2. Above The Rainbow
3. La Cubana
4. Desert Cry
5. Paradox
Azar Lawrence - tenor saxophone soprano saxophone
Gary Bartz - alto saxophone
John Stubblefield - oboe, flute
Bobby Hutcherson - vibraphone, marimba
McCoy Tyner - piano
Buster Williams - bass
Billy Hart - drums
James Mtume - conga drums, percussion
Guilherme Franco - percussion
Recorded on March 26, 27 & 28, 1974 in NYC.