マッコイがブルーノートに残したアルバムは次の7枚。括弧内は録音日とプロデューサー。ただし、アルバムCosmosは廃盤状態。
・The Real McCoy (1967/4/21, Alfred Lion)
・Tender Moments (67/12/1, Francis Wolff)
・Time For Tyner (68/5/17, Duke Pearson)
・Expansions (68/8/23, Duke Pearson)
・Cosmos (68/11/22, 69/4/4, 70/7/21, Duke Pearson)
・Extensions (70/2/9, Duke Pearson)
・Asante (70/9/10, Duke Pearson)
このデータを見れば、粗製乱造とまでは言わないが、じっくりとアイデアを温めて製作したアルバムではないことは確かだ。プロデューサーがデューク・ピアソンになってからは、ある種の焦りを感じる。マッコイは自身の構想を練る時間も与えられず、アルバムを作らせられたのではないだろうか。
LPのライナーノーツで青木和富氏はこう評している。「この7枚のブルーノートのアルバムは、当時のマッコイの独自の方向を見つける苦悩の記録とも言える作品であり、どれ1つとっても、その試行錯誤の中にその後のマッコイを決定づける輝かしいオリジナリティの断片を発見することができる貴重な作品群といえるだろう」。まさにその通りだと思う。「断片」がちりばめられた7枚。特に、このTime For Tynerは、全6曲の半分はオリジナルで、残りはスタンダードという構成。「断片」を切り取られた感じだ。
1. African Village
2. Little Madimba
3. May Street
4. I Didn't Know What Time It Was
5. The Surrey With The Fringe On Top
6. I've Grown Accustomed To Your Face
McCoy Tyner - piano
Bobby Hutcherson - vibraphone (tracks 1-4)
Herbie Lewis - bass (tracks 1-5)
Freddie Waits - drums (tracks 1-5)
Recorded on May 17, 1968 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.