Conquistadorとはスペイン語で「征服者」。特に15世紀から17世紀にかけてのスペインのアメリカ大陸征服者を指すらしい。だが、セシル・テイラーは、この曲を通して何を伝えたかったのかは不明である。さらに、2曲目のWith (Exit)も意味不明。そもそも、ジャズ(少なくともモダンジャズ)における曲のタイトルは、概ね符号でしかない。「あれ、やろうか?」では分からないので、「ウィズいくぞ!」的な感覚。
このアルバムが録音された1966年。ボブ・ディランはBlonde On Blonde、ビートルズはRevolver、コルトレーンはColtrane In Tokyo、チャールス・ロイドはForest Flowerを録音。ジャズとロックに大きなうねりがあった。そんな中、テイラーは独自の路線を切り開こうとしたのだが、ますます出口を失ってしまった。だからこそ、出口を見つけるために(Exit)と括弧書きにしたのではないだろうか。CD化で、その「出口」の別テイクが追加された。17分10秒である(マスターテイクは19分17秒)。Rudy Van Gelder(ルディ・ヴァン・ゲルダー)による録音の仕方には納得しなかったテイラー。自身の演奏にも納得できなかったようだ。
1. Conquistador
2. With (Exit)
3. With (Exit) [alternate take]
Jimmy Lyons - alto saxophone
Bill Dixon - trumpet
Cecil Taylor - piano
Henry Grimes - bass
Alan Silva - bass
Andrew Cyrille - drums
Recorded on October 6, 1966 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.