ダラー自身は、ピアノのパターンを繰り返すことで自分を解放していく。このことは、自分が学生時代にジャズ研で学んだこと。演奏時に自然と体が舟を漕ぐのは、パターンの繰り返し。ときに、意識的になり過ぎるとパターンがくずれ、それまでのパターンを取り戻すことに無駄な力をそそぐ。
LPのライナーノーツは油井正一氏。ダラー・ブランドが来日した1974年2月のインタビューが一部掲載されている。「ダラー・ブランドの音楽は、執拗なまでの繰り返しに特徴がある。この点について彼自身に解説してもらおう。〈リピートすることは、人間の最も自然な生活の一部である。心臓の鼓動、規則正しい呼吸、歩行・・・すべてが単純で正確な繰り返しである。太陽が東から出て西へ沈むのも、四季が一年ごとにめぐってくるのも繰り返しである。ジャズのリフはその具現だ〉」。
このアルバムは、1974年2月21日の東京・郵便貯金ホールでのライブ。全11曲だが、休憩を挟んだ前半がAfrica、後半がReflectionと題された2つの組曲。
※ラスト曲Tintinyanaは、アルバムAnatomy Of A South African VillageとAfrican Pianoでは、Tintiyanaと”n”を抜いて表記されていた。
Africa
1. Nim Vlula (The Rain Song)
2. Msunduza
3. Salaam (Peace)
4. Ancient Africa
5. Salaam (Peace)
Reflection
6. Single Petal Of A Rose
7. Come Sunday
8. Monk From Harlem
9. Cherry
10. African Sun
11. Tintinyana
Dollar Brand - piano, bamboo flute
Recorded on February 21, 1974 at Yuhbin Chokin-Hall, Tokyo.