所有していたLPのジャケット裏には岩浪洋三氏の解説があり、こう書かれている。「このセッションは六重奏団だが、楽器編成がユニークだ。3本のホーンにセロが加えられており、そのホーンも持ち換えて、クラリネットやバリトンのひびきが合わさって、重厚で、粘っこい不協音を奏でており、ミンガスのサウンド創りの独自性がうかがえる。しかもけっしてロジカルな感じではなく、きわめてエモーショナルな表現となっている」。確かにその通りだが、決定的な間違いを発見。
ミンガスがベースとセロ、Jackson Wiley(ジャクソン・ウィリー)がピアノを担当していると記している。ミンガスのベースとピアノ、ウィリーのセロが正解。このアルバムのユニークな点は楽器編成で、ミンガスが曲によってではなく、曲の途中でベースとピアノを交互に演奏していることにある。そうしたかったからこそ、セロを入れたのだ。輸入盤CDにはミンガス自身による解説が載っている。ざっと英文を読んでみると、気になる箇所が2つあった。「Minor Intrusionでは、ウィリーがセロのようなラインでベースを鳴らし続ける/Four Handsはベーシストのミンガスがピアノでデビュー」。つまり、ミンガスがピアノを弾いてベースが鳴っている時は、ウィリーがセロからベースに持ち換えていた可能性があるのだ。
1. What Is This Thing Called Love?
2. Stormy Weather
3. Minor Intrusion
4. Abstractions
5. Thrice Upon A Theme
6. Four Hands
7. The Spur Of The Moment / Echonitus
Teo Macero - tenor saxophone, baritone saxophone
John LaPorta - clarinet, alto saxophone
Thad Jones - trumpet (except "Four Hands" & "Echonitus")
Charles Mingus - bass, piano
Jackson Wiley - cello (except "Four Hands" & "The Spur Of The Moment")
Clem DeRosa - drums, tambourine
Recorded in December 1954 in NYC.