Abbey Lincoln / Abbey Is Blue

アビー・リンカーンの唄はストレート。技巧に走ることもなく、感情をむき出しにすることもなく。飾らないジャズ、飾らないボーカルである。プロデューサーの一人であるオリン・キープニュースがライナーノーツを書いていて、次のように締め括っている(訳:小川隆夫氏)。プロデューサー自身の言葉なので、多少はオーバーな表現があるが、錚々たるミュージシャンの参加によって、単なるボーカルアルバム以上の作品に仕上がっていることは事実。

「このシンガーと曲目と演奏が溶け合った、並々ならぬ見事な調和の総合的な成果が、深い温かさと穏やかにスイングするビートを併せ持つこのアルバムなのだ。わたしが思うに、この作品はアビーがこれまでに残してきた作品の中で最高の歌唱を記録したものではないだろうか。そしてわたしがいま考えているのは ― レコーディング中も随分考えていたのだが ― どんなシンガーが生み出した印象的で感動的なアルバム群にもおいても、この作品はぬきんでていて、長い間色褪せることはない」。

1. Afro-Blue
2. Lonely House
3. Let Up
4. Thursday's Child
5. Brother, Where Are You?
6. Laugh, Clown, Laugh
7. Come Sunday
8. Softly, As In A Morning Sunrise
9. Lost In The Stars
10. Long As You're Living

Abbey Lincoln - vocals
Julian Priester - trombone (tracks 1,3,6,10)
Stanley Turrentine - tenor saxophone (tracks 1,3,6,10)
Kenny Dorham - trumpet (tracks 2,4,7-9)
Tommy Turrentine - trumpet (tracks 1,3,6,10)
Les Spann - flute (track 5), guitar (tracks 2,4,7-9)
Wynton Kelly - piano (tracks 2,4,5)
Cedar Walton - piano (tracks 3,6)
Phil Wright - piano (tracks 7-9)
Bobby Boswell - bass (tracks 1,3,6,10)
Sam Jones - bass (tracks 2,4,5,7-9)
Philly Joe Jones - drums (tracks 2,4,5,7-9)
Max Roach - drums (tracks 1,3,6,10)

Recorded in Spring and Fall 1959 in NYC.

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