不覚にも、このアルバムの存在は最近まで知らなかった。名盤Somethin' Elseの4ヶ月後の録音で、その後に録音されたアルバムを追いかけるのは、キャノンボールではなくマイルスに集中し過ぎたのかも知れない。このアルバムの最大のポイントはNardisの収録だろう。「マイルスはキャノンボールの新しい門出を祝し、このセッションのために印象深い〈ナーディス〉を書いた」とライナーノーツに記載されている。だが、この曲の真髄を捉えたのはセッションに参加したビル・エバンスだった。
エバンスが演奏するNardis*に耳が馴染んでしまったので、このアルバムでのキャノンボールの演奏には物足りなさを感じてしまう。マイルスからケチが付いたのか、キャノンボールは二度とNardisを演奏することはなかった。
* 所有するエバンスのアルバムの中でNardisが収録されているのはExplorations / The Solo Sessions Vol.1 / The Bill Evans Trio Live / At The Montreux Jazz Festival / The Paris Concert Edition Twoの5枚。
1. Minority [original issued]
2. Minority [take 2]
3. Minority [take 3]
4. Straight Life
5. Blue Funk
6. A Little Taste
7. People Will Say We're In Love
8. Nardis [take 5]
9. Nardis [take 4]
Cannonball Adderley - alto saxophone
Blue Mitchell - trumpet
Bill Evans - piano
Sam Jones - bass
Philly Joe Jones - drums
Recorded on July 1, 1958 at Reeves Sound Studio, NYC.