1968年、フィル・ウッズはパリへ、そしてアート・ファーマーはウィーンへ渡り、ヨーロッパで活動を始めた。言葉は悪いが、いわば出稼ぎである。この当時、ジャズを生み出したアメリカでは、ジャズミュージシャンは満足に食えなかったことを物語っている。このアルバムは、二人が渡欧後すぐに行われたローマでのセッション。十分に熱い演奏であるのだが、ライブだったらもっと燃えたのではないだろうか。しかしながら、手元の資料では二人の共演はその後実現しなかったようだ。
お目当ては3曲目の「ブルー・ボッサ」。大学のジャズ研のときによく練習した曲。ところが、ジャズマンの演奏は意外に少なく、所有するアルバムでは、ジョー・ヘンダーソン、デクスター・ゴードン、トミー・フラナガン、ミッシェル・カミロ、そして、このアート・ファーマー&フィル・ウッズによる5枚。学生でも手を出せる曲なので、プロは遠慮するということなのだろうか。
1. Watch What Happens
2. Chelsea Bridge
3. Blue Bossa
4. Blue Lights
5. The Day After
6. Sunrise Sunset
Art Farmer - flugelhorn
Phil Woods - alto saxophone
Martial Solal - piano
Henry Texier - bass
Danniel Humair - drums
Recorded on October 12, 1968 in Rome.