ミシェルがシンセサイザーを持ち出した。シンセサイザーという楽器を使ったことで、このアルバムの評価が分かれた。つまり、演奏内容ではなく、使った楽器が評価対象となったのである。マイルスが、そしてディランが、エレクトリックを導入した時と同じ反応。ミシェルは戸惑ったはずだ。9曲目のLaws Of Physicsを除いて、全てがミシェルの作品。録音には6日間を要した模様で、プロデュースも自身で行なっている。全体的にシンセサイザーは前面に出ていないため、この楽器の導入を論点に置く必要はないと思うが、逆に言えば導入の必然性も感じないのだ。
このアルバムを前回聴いたのは2015年3月4日。そのときのブログでは、以下のことを書いた。もう7年も前のことである。
息子が日本学術振興会の『育志賞』を受賞した。今日は、その受賞式だった。天皇皇后両陛下がご臨席。式が終わってからの茶会にもご出席され、天皇はヒグマ研究の内容を息子から熱心に聞かれていた。一番緊張していたのは、同席した大正14年生まれの自分の父親。その気持ちは、分からなくはない。昨夜は、父と親子で御茶ノ水のホテルに泊り祝杯。長い1泊2日が終わる。そんな夜に、このアルバム。
1. September Second
2. Home
3. P'tit Louis
4. Miles Davis' Licks
5. Rachid
6. Brazilian Suite #3
7. Play School
8. Contradictions
9. Laws Of Physics
10. Piango, Pay The Man
11. Like That
Michel Petrucciani - piano, synthesizer
Adam Holzman - synthesizer, synthesizer programming
Anthony Jackson - bass guitar
Omar Hakim - drums (tracks 1-4,6-9,11)
Aldo Romano - drums (track 5)
Steve Thornton - percussion
Recorded on March 14 - 19, 1991 at Clinton Recording Studios, NYC.