Miles Davis / It's About That Time

1970年3月、マイルスが初めてロックの殿堂『フィルモア・イースト』に出演したノーカット・ライブ。しかし、この音源がアルバムとして世に出たのは2001年7月。何故か30年以上も倉庫に眠っていたのだ。マイルス自叙伝②では、マイルスがこのライブについて次のように語っている。

「1970年に〈フィルモア・イースト〉で、スティーブ・ミラーというお粗末な野郎の前座をしたことがあった。クロスビー・スティルス・ナッシュ・アンド・ヤングも一緒だった気がするが、彼らは少しはましだった。とにかくスティーブ・ミラーは、およそどうしようもない、ろくな演奏もできない野郎だった。くだらないレコードを一、二枚出してヒットさせたというだけで、オレ達が前座をやらされることに、むかっ腹を立てていた。だから、わざと遅れて行って、奴が最初に出なければならないようにしてやった。で、オレ達が演奏している時に、会場全体を大ノリにさせてやった」。

この発言を裏付けるのが、ニール・ヤングのアルバムLive At The Fillmore Eastのジャケット。ただし、この時はクレイジー・ホースを引き連れて出演。さらに、ジャケット内には、この日のライブをレビューした新聞記事が載っている。そこには、マイルスが遅刻したとはないが、The Steve Miller Blues Band opened the showとある。マイルスの格言。「前座いやなら遅刻しろ!」。

Disc 1 - First Set
1. Directions
2. Spanish Key
3. Masqualero
4. It's About That Time / The Theme

Disc 2 - Second Set
1. Directions
2. Miles Runs The Voodoo Down
3. Bitches Brew
4. Spanish Key
5. It's About That Time / Willie Nelson

Miles Davis - trumpet
Wayne Shorter - soprano saxophone, tenor saxophone
Chick Corea - Fender Rhodes electric piano
Dave Holland - acoustic bass, electric bass
Jack DeJohnette - drums
Airto Moreira - percussion, cuica

Recorded on March 7, 1970 at The Fillmore East, NYC.
Released on July 17, 2001.

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