Sarah Vaughan / How long has this been going on

所有するサラ・ヴォーンのアルバム10枚の中で最高傑作の一つ。オスカー・ピーターソンを中心にしたバックで、サラは自在に自分を表現。ではあるが、ジャケットは最低。パブロ・レーベルを創設したノーマン・グランツは、ライブ録音を主軸に置いたが、ジャケットには根本的に無関心。サラが、このモノクロのジャケットに素直にOKを出したとは到底思えない。

学生時代によく通ったジャズ喫茶は中野北口のビアズレー。南口には姉妹店のオーブレー。こちらはボーカルを中心にお酒を飲ませる店。ジャズ研の仲間(まぁ、当然ながら女性)を連れて飲みに行ったことがある。その時に流れていたサラの歌声が記憶の片隅に。いまや、ビアズレーもオーブレーもなく、中野のジャズ文化は消え去った。中野サンプラザも解体になるらしい。いつの頃からだろうか(How Long Has This Been Going On?)、「文化」という言葉を放り投げてしまった日本。

1. I've Got The World On A String
2. Midnight Sun
3. How Long Has This Been Going On?
4. You're Blase
5. Easy Living
6. More Than You Know
7. My Old Flame
8. Teach Me Tonight
9. Body And Soul
10. When Your Lover Has Gone

Sarah Vaughan - vocals
Joe Pass - guitar
Oscar Peterson - piano
Ray Brown - bass
Louie Bellson - drums

Recorded on April 25, 1978 at Group IV Recording Studios, Hollywood, CA.

Sarah Vaughan / Sarah + 2

このアルバムを購入するまで、"+2"というアルバムタイトルを完全に誤解していた。LPでは単純にSarahというタイトルで、CD化でボーナストラックが、2曲追加されたと勝手に思い込んでいたのだ。本作を手にして、"+2"はギターとベースを示していることが分かった。サラの歌声をしっかりサポートした二人に対しては、失礼なタイトルである。以下は、CD帯による解説。

「61年の〈アフター・アワーズ〉が素晴らしい内容だったので、続編のような形で制作されたのが、ギタリストがバーニー・ケッセル、ベースがジョー・コンフォードに替わっての本アルバム。深いエモーションと絶妙なイントネーションとともに、サラはスタンダード曲を中心に見事な表情で歌いこなす。シンプルな編成をもったアルバムとして、前作と双璧をなす一作。絶頂期のサラ・ヴォーンの凄さをひしひしと感じさせるものになっている」。タイトルについては一切触れていない。

1. Just In Time
2. When Sunny Gets Blue
3. All I Do Is Dream Of You
4. I Understand
5. Goodnight Sweetheart
6. Baby, Won't You Please Come Home
7. When Lights Are Low
8. Key Largo
9. Just Squeeze Me
10. All Or Nothing At All
11. The Very Thought Of You

Sarah Vaughan - vocal
Barney Kessel - guitar
Joe Comfort - double bass

Recorded on August 7 & 8, 1962 at United Recorders, Los Angeles, CA.

Sarah Vaughan / The Explosive Side

女性ジャズボーカリストは数多くいる。彼女たちに対して、いろんな評価の仕方がある訳だが、結局のところ、「肌が合う」かで自分の好みが決まってしまうのだろう。もちろん、それはボーカルに限ったことではないし、ジャズに限定した話でもない。サラ・ヴォーンに関しては、以下のCD帯解説のように、「燃えるように鮮やかな歌唱」が自分の肌にぴったり合うのだ。

「タイトルどおりにアップテンポに乗せて、サラ・ヴォーンの燃えるように鮮やかな歌唱が楽しめる、ルーレット時代の大傑作アルバムである。ジャジーな魅力を発散してゆくベニー・カーターのオーケストラを向こうに回して、いやが上にもダイナミックな盛り上がりをみせるサラが凄い。いきなりスキャットから始まる〈君去りし後〉、超アップテンポの〈トロリー・ソング〉。どれも胸のすくようなトラックばかりである」。

1. I Believe In You
2. Honeysuckle Rose
3. Moonlight On The Ganges
4. The Lady's In Love With You
5. After You've Gone
6. Garden In The Rain
7. I Can't Give You Anything But Love
8. Trolley Song
9. I'm Gonna Live Until I Die
10. Falling In Love With Love
11. Great Day
12. Nobody Else But Me

Sarah Vaughan - vocals
Benny Carter - arranger, conductor

Recorded in May - July 1963.