吉田拓郎 / 感度良好 波高し

拓郎、50歳最初のアルバム。「今日までそして明日から」を入れたのは、彼なりの意味があったのだろう。この曲以外の全ては、岡本おさみ(3,4,7,8,9)、石原信一(1,5,6,10)、阿木燿子(11)の3人から詩を提供してもらっている。括弧内はトラック番号。タイトル「感度良好 波高し」という曲はないので、何らかのメッセージを込めているのだろう。「歌う意欲は湧いてきたが、詩ができないんだ」ということか。

1. ベイ・サイド・バー
2. 今日までそして明日から
3. いつでも
4. マンボウ
5. 遥かなる
6. センチメンタルを越えて
7. 夢を語るには
8. 心のままに
9. 漂流記
10. この国JAPAN
11. まァ取り敢えず

発売 1996年8月21日

吉田拓郎 / Long Time No See

CD帯には「放っておいてくれて、ありがとう。」のキャッチコピー。このコピー、タイトル「Long Time No See」、1曲目「とんと御無沙汰」で、このアルバムのコンセプトをくどいほど表現している。前作「吉田町の唄」が1992年7月発売なので、3年振りのリリースだった。拓郎にとっての1つの充電期間だったとも言える。どの曲かは不明だが、バハマでの海外録音も含まれている。

「とんと御無沙汰」は阿木燿子の作詞。「永遠の嘘をついてくれ」は中島みゆきの作詞作曲。さらに、ジャケットには「淋しき街」の詩中〈理由もなくここはTokyo〉は安井かずみのアイデアとある。充電期間ながら、3人の女性の力を借りたということだ。そして、収録曲の中には、その後のライブアルバムで歌った曲がいくつかあるので、拓郎復活の兆しを感じるアルバなのである。

1. とんと御無沙汰
2. 淋しき街
3. 夢見る時を過ぎ
4. オー・ボーイ
5. マスターの独り言
6. 君のスピードで
7. 永遠の嘘をついてくれ
8. 生きていなけりゃ
9. トゥ・ザ・ムーン
10. 夕陽と少年

発売 1995年6月21日

吉田拓郎 / 吉田町の唄

拓郎のアルバムの中ではマイナーな存在なのだろう。しかし、拓郎が原点に戻ろうとした気がする。自分にとっては愛聴盤の一つである。拓郎の幼い頃の写真をジャケットに使ったのも、原点回帰の印だと思う。そして、タイトル曲「吉田町の唄」にもそれが示されている。

その一節。「のびやかに しなやかに 育てよ 子供/やがて 大地 踏みしめ 太陽になれ」。拓郎の隠れた名曲である。

1. イントロダクション
2. 夕映え
3. 夏・二人で
4. いつもチンチンに冷えたコーラがそこにあった
5. そうしなさい
6. 海を泳ぐ男
7. 今度はいったい何回目の引越しになるんだろう
8. ありふれた街に雪が降る
9. 想ひ出
10. 吉田町の唄
11. 僕を呼び出したのは

吉田拓郎 - lead & background vocals, Rickenbacker guitar, electric guitars, harmonica
石川鷹彦 - acoustic 6 & 12 string guitars, dobro, mandolin, banjo, bouzouki, electric sitar, gut guitar
竹田元 - keyboards & synthesizers, Rhodes piano, organ, accordion
松尾一彦 - electric 6 & 12 string guitars, background vocals
清水仁 - bass, background vocals
岡沢章 - bass
今泉正義 - drums
谷口陽 - lap steel, Hawaiian steel guitar
稲葉政裕 - electric guitars
鎌田裕美子 - acoustic piano, organ, accordion
鎌田清 - drums
榊原雄一 - bass

発売 1992年7月29日