吉田拓郎 / detante

このアルバムは、どうにも評価が難しい。つまり、ここでの曲は、その後にライブなどで唄われていないから。拓郎にとっては、アルバムを創るために作り上げた曲を並べたとも言える。その中に、かつての名曲「地下鉄にのって」を入れたのも意味が分からない。迷走していた拓郎の時代。

以上のことを2014年2月のブログで書いた。アルバムLIVE 2014(録音 2014年7月22日 / 東京国際フォーラム)では、2曲目の「たえなる時に」を収録。確かに、本作の中では拓郎らしい秀作である。Wikipediaには次の2項目が書かれていた。髪を切って拓郎で有り続けることの緊張をほぐしたと言うことだろうか。
・このアルバムのジャケットから髪を短くしている。
・タイトルのdetente(デタント)はフランス語で、緊張緩和という意味である。

1. 放浪の唄
2. たえなる時に
3. シリアスな夜
4. ロマンチックを送って
5. 渚にて
6. ひとりぼっちの夜空に
7. 地下鉄にのって
8. 青空
9. 男達の詩
10. 友あり
11. レールが鳴ると僕達は旅がしたくなる
12. 時には詩人のように
13. 裏窓

発売 1991年6月12日

吉田拓郎 / 176.5

「落葉」で始まり「祭りのあと」で閉めているアルバム。残りの9曲は、その後のライブなどでは唄われていない。「俺を許してくれ」のみが、アルバム「18時開演」で再演。アルバムタイトルは、拓郎の身長。どうにもこうにも拓郎らしい曲作りができなかった時代。

考えようによっては、1980年終わりは「主題」がなかった時代でもある。フォークというジャンルから出てきたアーティストは、迷走せざるを得なかった。なので、「落葉」で始まり「祭りのあと」で閉めるしかなかったのだろう。それでも、アルバムを出さなければならないという、ある意味での悲しさ。ジャケットの拓郎の表情がそれを物語っている。

1. 落陽
2. 星の鈴
3. 車を降りた瞬間から
4. 俺を許してくれ
5. 30年前のフィクション
6. しのび逢い
7. 妄想
8. 憂鬱な夜の殺し方
9. 光る石
10. はからずも、あ
11. 祭りのあと

発売 1990年1月10日

吉田拓郎 / ひまわり

全曲が拓郎の作詞作曲。残念ながら、決め手となる曲はない。唯一が「シンシア」。差別用語が含まれていると指摘され生産中止となったアルバム『今はまだ人生を語らず』に収録されていた「シンシア」が、このアルバムで復活。前作では、かまやつひろしとのデュオであったが、ここでは拓郎一人で歌っている。この一曲に価値があるアルバム。

1. ひまわり
2. 約束 ~永遠の地にて~
3. 遠い夜
4. その人は坂を降りて
5. 楽園
6. 冬の雨
7. シンシア '89
8. 帰路

発売 1989年2月8日