山下洋輔 / Sakura Live

さくらの季節がやってきた。だが、高校時代の友人多数と集まっての花見の季節ではない。石神井公園、そして母校の桜並木を愛でから、みんなで乾杯という恒例行事はコロナで吹き飛んでしまった。足利のココファームで新酒のワインを味わう秋の行事も同様。

1990年5月、山下洋輔は日本の童謡や民謡を詰め込んだアルバムSakuraを録音。そして、91年4月にスウィート・ベイジルでライブを敢行。タイトルはSakura Liveと名付けられた。ジャケットも散りゆくさくらを描いているが、収録された日本の曲は「砂山」と「兎のダンス」のみ。このアルバムの印象は、うまくまとまっているなという感じ。ヨースケの最大の魅力はハチャメチャ。次に何が出てくるか分からないと言うワクワク感であり、その一瞬前のドキドキ感である。その感じが、観客の反応から伝わってこない。というより、ヨースケの演奏スタイルに対する反応の仕方を知らないのだろう。結果的に、ヨースケも前のめりになっていない。残念ながら、ライブ感があまり出ていないライブアルバムなのだ。

1. New Tune
2. Poetry Leg Room
3. Hikalu Express
4. Sunayama
5. Peace Maker
6. Usagi No Dance
7. CP Blues

Yosuke Yamashita - piano
Cecil McBee - bass
Pheeroan akLaff - drums

Recorded on April 25 & 27, 1991 at Sweet Basil, NYC.

ザ・フォーク・クルセダーズ / イムジン河

母親の実家がある秋田市に遊びに行った小学校高学年のとき、「悲しくてやりきれない」が実家のラジオから流れていた記憶がある。いとこの部屋には、「イムジン河」の楽譜があった気もする。しかし、とある理由で放送禁止となってしまい、「イムジン河」は「悲しくてやりきれない」に生まれ変わった。1968年3月21日にシングルで発売。

それから34年後、今から20年前の2002年3月21日、日韓共同ワールドカップサッカー開催を一つのきっかけに、このアルバムが発売された。言ってみれば、30年以上封印されてしまった「イムジン河」であったが、今だからこそ唄い、考えなければならない曲だろう。先日、韓国の大統領選が終わり、20年前には良好関係にあった日韓は、今後どうなっていくのか。ジャケットには、日本、韓国、北朝鮮、ロシアなどの国旗が多数配置されている。だが、1991年に独立したウクライナの国旗は記載されていない。

1. イムジン河
2. 悲しくてやりきれない
3. イムジン河 - カラオケ
4. 悲しくてやりきれない - カラオケ

加藤和彦 / 北山修 / 端田宣彦

発売 2002年3月21日

山下洋輔 / Sakura

日本の童謡や民謡をアレンジして自分の曲にするミュージシャンはいるが、山下の発想はぶっ飛んでいる。原曲の特異的な部分を抜き出し山下流に料理して、あとは味付けを加えていく。山下にとって、原曲はきっかけでしかない。「とりあえずビール!」と同じ。

だが問題は、ベースのセシル・マクビーとドラムのフェローン・アクラーフの味付けである。彼等の根底には、「砂山」、「月の砂漠」、「兎のダンス」などの原曲イメージを持ち合わせているはずがない。つまり、演奏しながら「ソソラ ソラ ソラ 兎のダンス」と、口ずさむことはないのだ。一方の山下は「GGA」と鍵盤を叩かなくても、頭の中は「ソソラ」のはず。小川隆夫氏のライナーノーツには、マクビーのコメントが載っている。「別に今回のレパートリーが日本の古い唄だということは意識していない。ヨースケとやる時は、常に彼の音楽をやっているという気持ちが働いているからだ」。ということで、「タラッタ ラッタ ラッタ」と3人が踊り出すことは決してないのだ。

1. Sakura / さくら さくら
2. Yurikago / ゆりかごの唄
3. Haiku / 5-7-5
4. Amefuri / 雨降りお月さん
5. Ano Machi / あの町この町
6. Dobarada / ドバラダ
7. Sasa No Ha / たなばださま
8. Sunayama / 砂山
9. Tsuki No Sabaku / 月の砂漠
10. Usagi No Dance / 兎のダンス
11. Nenkorori / 中国地方の子守唄

山下洋輔 - piano
Cecil McBee - bass
Pheeroan akLaff - drums

Recorded on May 1, 2 & 3, 1990 at Clinton Recording Studios, NYC.