金本麻里 / With The Bop Band

CD制作協力会員(ジョニーズディスクファンクラブ)の一人として、あれこれと語ることはできないアルバム。2015年7月30日。盛岡ジャズの喫茶『開運橋のジョニー』を初めて訪問。そこで、出会ったのが金本麻里さん。焼酎をちびちびと飲んでいる間に、客は自分一人となり、彼女はマイ・フェイヴァリット・シングス、そしてサマー・タイムをアカペラで唄ってくれた。彼女のボーカルを独り占め。何とも贅沢な夜だった。

瀬川昌久氏が2017年3月4日付けのライナーノーツで次のように書いている。「金本麻里のボーカルとバップバンドのジャズ、こんな素晴らしいコンビがあったのか? 流石はジョニーの企画だ。もともと金本麻里の人並み外れた声量とパワーは、通常の伴奏では生かし切れない。クリフォード・ブラウン一筋の村田浩のバップバンドとの共演で、初めて麻里の本領が発揮された」。いやいや、アカペラでも十分に彼女の本領は発揮されるのですよ。それは経験済みなので。

1. Caravan
2. Sentimental Journey
3. How High The Moon
4. Charade
5. What A Wonderful World
6. Stars Feel On Alabama
7. The Man I Love
8. When The Saints Go Marching In
9. Hope
10. Route 66

金本麻里 - vocal
村田浩 - trumpet
岡田嘉満 - tenor saxophone
紅野智彦 - piano
矢野信行 - bass
宮岡慶太 - drums
照井顕 - producer

録音 2016年10月4日 / 北上さくらホール

ジャケットに記載されたCD制作協力会員リスト抜粋

菊地雅章 / ススト

リアルタイムで聴かなかったアルバム。70年代終盤から80年代前半に吹き荒れたフュージョンは毛嫌いしていた。このアルバムも、ジャケットの印象からその亜流と感じたのだ。1981年2月付けのライナーノーツで野口久光氏が絶賛。次のように締め括っている。「プーサンは長い沈黙を破って、遂にわれわれの期待をはるかに超える力作をおくり出した。マンネリ化が取りざたされるフュージョン・ジャズの沈滞ムードを破るこれはニュー・サウンドであり、菊池雅章によって1980年代のジャズの夜明けは告げられた、といえる。これは沈黙7年のマイルスの意志を継いだニュー・サウンドであり、1981年度にリリースされるジャズアルバム中最も重要なもののひとつとなるであろう」。

確かに、1980年代に入ってジャズは混迷の時を迎えた。結果、ジャズミュージシャンは、売れる音楽をやらざるを得なかったのだろう。プーサンまでもが…。ヒノテルが参加したことが、さらにこのアルバムの価値を下げてしまった。つまり、日本のトップジャズミュージシャンが、行き場を失ったことを示しているアルバム。「ススト」=「突然の恐怖」という意味らしい。実際に、この恐怖は長らく続いていった。そして、自分ならば、この手の「ニュー・サウンド」=「一発花火」と締め括りたい。ジャズを愛する人が欲しているのは、決して新しいサウンドではなく、心を揺さぶるサウンドなのだ。

1. Circle / Line
2. City Snow
3. Gumbo
4. New Native

Masabumi Kikuchi - keyboards, synthesizer
Terumasa Hino - cornet, bolivian flute (except track 3)
Steve Grossman - soprano saxophone, tenor saxophone
Dave Liebman - soprano saxophone, tenor saxophone, alto flute
James Mason - guitar
Marlon Graves - guitar
Barry Finnerty - guitar
Hassan Jenkins - bass
Richie Morales - drums
Yahya Sediq - drums
Alyrio Lima - percussion
Aiyb Dieng - conga
Sam Morrison - wind driver
Ario Moreira - percussion
Ed Walsh - synthesizer program

Recorded in November 1980 at Sound Ideas Studios, NYC.

安富祖貴子 / THE BLUES

The Bluesというアルバムタイトルは直球勝負。そして、「セント・ルイス・ブルース」で幕を開け、ゴスペル・グループJumbleのコーラスを交えた「アメイジング・グレース」で幕を閉じると言う構成も心憎い感じだ。残念ながら、沖縄を本拠地としている安富祖貴子のライブは未経験。いつしか、迫力ある歌声を生で聴ければと願っている。彼女を追いかけて沖縄まで、という根性がないのも情けないのだが…。以下は商品解説からの抜粋。

「2006年のデビューアルバム〈魂 / Kon〉を始め、これまで4枚のアルバムを世に放ち、多数の賞を受賞し、その圧倒的な歌唱力でジャズ界において唯一無二の存在になりつつある、沖縄出身のジャズボーカリスト安富祖貴子。本作では〈ブルース〉をテーマに、そのソウルフルなボーカルを全面に打ち出した原点回帰とも言える作品。プロデューサーは国内No.1のベーシスト井上陽介」。そう言えば、井上のベースも生でまだ体験していないのだ。

1. St. Louis Blues
2. Everyday I Have The Blues
3. Please Send Me Someone To Love
4. I'd Rather Go Blind
5. Afro Blue
6. Early In The Morning
7. Left Alone
8. House Of The Rising Sun
9. Willow Weep For Me
10. Route66
11. Softly, As In A Morning Sunrise
12. Amazing Grace

安富祖貴子 - vocals
井上陽介 - bass
納谷嘉彦 - piano
大隅寿男 - drums
川嶋哲郎 - tenor saxophone, soprano saxophone
石田長生 - electric guitar, chorus
大隅卓也 - alto saxophone
Jumble - chorus

Recorded on May 31, June 1 & 2, 2011 at Crescente Studio, Tokyo.