吉田拓郎 / Long Time No See

CD帯には「放っておいてくれて、ありがとう。」のキャッチコピー。このコピー、タイトル「Long Time No See」、1曲目「とんと御無沙汰」で、このアルバムのコンセプトをくどいほど表現している。前作「吉田町の唄」が1992年7月発売なので、3年振りのリリースだった。拓郎にとっての1つの充電期間だったとも言える。どの曲かは不明だが、バハマでの海外録音も含まれている。

「とんと御無沙汰」は阿木燿子の作詞。「永遠の嘘をついてくれ」は中島みゆきの作詞作曲。さらに、ジャケットには「淋しき街」の詩中〈理由もなくここはTokyo〉は安井かずみのアイデアとある。充電期間ながら、3人の女性の力を借りたということだ。そして、収録曲の中には、その後のライブアルバムで歌った曲がいくつかあるので、拓郎復活の兆しを感じるアルバなのである。

1. とんと御無沙汰
2. 淋しき街
3. 夢見る時を過ぎ
4. オー・ボーイ
5. マスターの独り言
6. 君のスピードで
7. 永遠の嘘をついてくれ
8. 生きていなけりゃ
9. トゥ・ザ・ムーン
10. 夕陽と少年

発売 1995年6月21日

吉田拓郎 / 吉田町の唄

拓郎のアルバムの中ではマイナーな存在なのだろう。しかし、拓郎が原点に戻ろうとした気がする。自分にとっては愛聴盤の一つである。拓郎の幼い頃の写真をジャケットに使ったのも、原点回帰の印だと思う。そして、タイトル曲「吉田町の唄」にもそれが示されている。

その一節。「のびやかに しなやかに 育てよ 子供/やがて 大地 踏みしめ 太陽になれ」。拓郎の隠れた名曲である。

1. イントロダクション
2. 夕映え
3. 夏・二人で
4. いつもチンチンに冷えたコーラがそこにあった
5. そうしなさい
6. 海を泳ぐ男
7. 今度はいったい何回目の引越しになるんだろう
8. ありふれた街に雪が降る
9. 想ひ出
10. 吉田町の唄
11. 僕を呼び出したのは

吉田拓郎 - lead & background vocals, Rickenbacker guitar, electric guitars, harmonica
石川鷹彦 - acoustic 6 & 12 string guitars, dobro, mandolin, banjo, bouzouki, electric sitar, gut guitar
竹田元 - keyboards & synthesizers, Rhodes piano, organ, accordion
松尾一彦 - electric 6 & 12 string guitars, background vocals
清水仁 - bass, background vocals
岡沢章 - bass
今泉正義 - drums
谷口陽 - lap steel, Hawaiian steel guitar
稲葉政裕 - electric guitars
鎌田裕美子 - acoustic piano, organ, accordion
鎌田清 - drums
榊原雄一 - bass

発売 1992年7月29日

吉田拓郎 / detante

このアルバムは、どうにも評価が難しい。つまり、ここでの曲は、その後にライブなどで唄われていないから。拓郎にとっては、アルバムを創るために作り上げた曲を並べたとも言える。その中に、かつての名曲「地下鉄にのって」を入れたのも意味が分からない。迷走していた拓郎の時代。

以上のことを2014年2月のブログで書いた。アルバムLIVE 2014(録音 2014年7月22日 / 東京国際フォーラム)では、2曲目の「たえなる時に」を収録。確かに、本作の中では拓郎らしい秀作である。Wikipediaには次の2項目が書かれていた。髪を切って拓郎で有り続けることの緊張をほぐしたと言うことだろうか。
・このアルバムのジャケットから髪を短くしている。
・タイトルのdetente(デタント)はフランス語で、緊張緩和という意味である。

1. 放浪の唄
2. たえなる時に
3. シリアスな夜
4. ロマンチックを送って
5. 渚にて
6. ひとりぼっちの夜空に
7. 地下鉄にのって
8. 青空
9. 男達の詩
10. 友あり
11. レールが鳴ると僕達は旅がしたくなる
12. 時には詩人のように
13. 裏窓

発売 1991年6月12日