Tommy Flanagan / Giant Steps

トミー・フラナガンが、ジョン・コルトレーンのアルバム『ジャイアント・ステップス』に参加したときのデータは、以下の通り。フラナガンはNaima以外の6曲で参加している。1959年の出来事。そして、23年後の1982年、フラナガンは、ピアノトリオで『ジャイアント・ステップス』に臨んだ。

1. Giant Steps / 2. Cousin Mary / 3. Countdown / 4. Spiral / 5. Syeeda's Song Flute / 6. Naima / 7. Mr. P.C.
John Coltrane - tenor saxophone / Tommy Flanagan - piano / Wynton Kelly - piano on "Naima" / Paul Chambers - bass / Art Taylor - drums / Jimmy Cobb - drums on "Naima"

男粋。言い過ぎだろうか。どちらかと言うと名脇役のフラナガンが、トレーンの新たな出発点となったアルバムをトレースしようとした理由はどこにあったのだろうか。そして、トレーンのアルバムと曲順を入れ替えた。Giant Stepsで始めMr. P.C.で閉じたトレーンの逆順としたのだ。さらに、外されたNaimaも組み入れた。ジャケットに写るフラナガンは、にこやかな雰囲気だが、このアルバには、それなりの仕掛けをしたのだ。その録音から40年近く経って聴いても、少しも色あせないアルバムである。

1. Mr. P.C.
2. Central Park West
3. Syeeda's Song Flute
4. Cousin Mary
5. Naima
6. Giant Steps

Tommy Flanagan - piano
George Mraz - bass
Al Foster - drums

Recorded on February 17 & 18, 1982 at Eurosound Studio, NYC.

Tommy Flanagan / Montreux '77

モントルーのライブ演奏。圧巻はブルー・ボッサ。割れんばかりの拍手。正確なデータは分からないが、ステージの最終曲だったのだろう。ブルー・ボッサは、学生時代のジャズ研で何度も演奏した曲。いつかやりたいと思っていた聴き比べ。ケニー・ドーハムの作でありながら、彼はジョー・ヘンダーソンのアルバムPage Oneで一度トランペットを吹いただけ。自作ながら、トランペット向きでないと判断したのだろうか。アート・ファーマーはフィル・ウッズと共演したアルバムWhat Happens?でこの曲を吹いたが、ファーマーはウッズに助けられている感じ。

デクスター・ゴードンは、強力なバック(バリー・ハリス、サム・ジョーンズ、アル・フォスター)を従えて、アルバムBiting The Appleに収録。リズムとスピードは、ジャズ研で演奏していた頃にぴったり。そして、ミッシェル・カミロ。アルバムLive at the Blue Noteで、ピアノトリオの合間にソロピアノを軽く披露。ブルー・ボッサが入っている所有するアルバムは、録音年代順に以下の通り。

Joe Henderson - Page One / June 1963
Art Farmer - What Happens? / October 1968
Dexter Gordon - Biting The Apple / November 1976
Tommy Flanagan - Montreux '77 / July 1977
Michel Camilo - Live at the Blue Note / March 2003

1. Barbados
2. Medley: Some Other Spring / Easy Living
3. Medley: Star Crossed Lovers / Jump For Joy
4. Woody'n You
5. Blue Bossa
6. Heat Wave

Tommy Flanagan - piano
Keter Betts - bass
Bobby Durham - drums

Recorded on July 13, 1977 at Montreux Jazz Festival, Casino De Montreux, Switzerland.

Tommy Flanagan / Eclypso

トミー・フラナガン、ジョージ・ムラーツ、エルビン・ジョーンズの3人の特徴をうまく引き出し、何度も聴きたくなる完成度の高いアルバム。全7曲43分、十分に楽しめる。フラナガンの代表作であり名盤のOverseasが録音されたのは、このアルバムから遡ること20年の1957年8月15日。ドラムは同じエルビンで、ベースはウィルバー・リトルだった。Overseasに収録されたRelaxin' At CamarilloとEclypsoの2曲が20年ぶりに再演。Eclypsoはフラナガンの作品。ジャケット裏には、そのスコアが使われた。

学生の頃、2曲目Denzil's Bestのベースによるメロディーをコピーしようとした。その頃は、LPをカセットテープに録音し、カセットをガチャガチャと動かして何度も再生した記憶がある。ほんの少しであるが、指運びを左手が記憶している。4曲目Relaxin' At Camarilloの3分42秒、ドラムソロに分け入ってフラナガンが曲の頭を演奏し、すぐにやめる。明らかに入り方を間違った。しかし、ジャズには間違いはないのだ。フラナガンは、そうしたかっただけ。完全なるミスであれば、再録するはず。

1. Oleo
2. Denzil's Best
3. A Blue Time
4. Relaxin' At Camarillo
5. Cup Bearers
6. Eclypso
7. Confirmation

Tommy Flanagan - piano
George Mraz - bass
Elvin Jones - drums

Recorded on February 4, 1977 at Sound Ideas, NYC.