Tony Williams / Believe It

1997年2月に51歳で他界したトニー。このアルバムの録音は1975年7月で、30歳になる前である。トニーのドラミングには感心させられるが、完全にロック。翌76年には、The Great Jazz TrioやV.S.O.P.に参加し、4ビートでも力量を十分に発揮した。タイトルBelieve ItのItはロックだったのか、ジャズだったのか。それとも自分自身だったのだろうか。

1. Snake Oil
2. Fred
3. Proto-Cosmos
4. Red Alert
5. Wildlife
6. Mr. Spock
7. Celebration
8. Letsby

Allan Holdsworth - electric guitar
Alan Pasqua - piano, clarinet
Tony Newton - electric bass
Tony Williams - drums

Recorded in July 1975.

Tony Williams / Spring

メンバーが凄い、演奏内容も凄い。だけど、印象に残らない。トニーは、このアルバムの全ての曲を書いた。これがツマラナイ。ドラマーとしては超一流であったが、作曲家として二流以下だった。彼自身がそれを素直に理解し別の題材を持って来れば、もっと濃い内容のアルバムになったはずだ。

CDのライナーノーツで岡崎正道氏はこう書いている。「トニー・ウィリアムスが求めたのは、何よりも既成のジャズのフォーマットやリズムの枠を外したところから生まれる自由の中から、新しい秩序ある音楽を生み出してゆくことなのである」。何を言おうとしているのか、さっぱり分からない。岡崎氏にとっての音楽の「自由」や「秩序」をまったく説明できていない。ここにも二流以下がいた。

1. Extras
2. Echo
3. From Before
4. Love Song
5. Tee

Wayne Shorter - tenor saxophone (tracks 1,3,5)
Sam Rivers - tenor saxophone (tracks 1,3-5)
Herbie Hancock - piano (tracks 3-5)
Gary Peacock - bass (tracks 1,3-5)
Tony Williams - drums

Recorded on August 12, 1965 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Tommy Flanagan / Thelonica

トミー・フラナガンがモンクの曲を料理。ラスト曲Thelonicaのみがフラナガンの作品。モンクが他界したのは1982年2月17日。そして、このアルバムが録音されたのは同年暮れで、翌年リリース。音楽的にはフラナガンとモンクの共通点はなかった。というか、モンク派なるものは未だに存在しないので、唯一無二の存在。モンクを追悼する意味は分かるのだが、モンクの作品を並べてしまい、追悼ではなく挑戦的な意味合いになってしまった。

モンクのディスコグラフィーを見ると、フラナガンはもちろんのこと、ジョージ・ムラーツは一度もセッションに参加していない。アート・テイラーが5回参加しているのみ。演奏内容は文句(モンク)なしなのだが、リリースのタイミングが悪かった。最期の10年間、モンクは病に苦しんだ。その時期にモンクを励ますために出して欲しかったアルバム。ドイツの名門レーベルenjaとしては、企画の面で失敗作ではないだろうか。

1. North Of The Sunset
2. Light Blue
3. Off Minor
4. Pannonica
5. Ask Me Now
6. Thelonious
7. Reflections
8. Ugly Beauty
9. Thelonica

Tommy Flanagan - piano
George Mraz - bass
Art Taylor - drums

Recorded on November 30 & December 1, 1982 in Munich, West Germany.