友部正人 / 大阪へやって来た

CD帯から。「フォーク界最高の詩人、友部正人の衝撃デビューアルバム。日本初のトーキング・ブルース・スタイルの〈大阪へやって来た〉が衝撃」。1972年のアルバム。リアルタイムでフォークを聴いていた時期であったが、このアルバムに出会うには時間差があった。次のアルバム『にんじん』で友部を知ったため。

2曲のみにバックが入っているが、基本的にはギターとハーモニカだけで友部はアルバム一枚を作り上げた。残念ながら、アルバム全体としては単調。CD帯にあるようなタイトル曲の「衝撃」は、瞬間的な感じだ。

1. 大阪へやって来た
2. 酔っぱらい
3. もしもし
4. まるで正直者のように
5. 真知子ちゃんに
6. 梅雨どきのブルース
7. まちは裸ですわりこんでいる
8. 公園のベンチで

発売 1972年1月15日

武田和命 / Gentle November

いつかは必ず聴かなければ、とずっと思っていたアルバム。レコードの発売は1979年の暮れ。学生生活の終盤。卒論実験でマイクロプロセッサーのプログラミングに明け暮れていた。その頃の経験が、今の仕事の肥しになっている。社会人になってから、毎週末は渋谷か新宿のディスクユニオンで中古レコード漁り。だが、中古市場には流れて来なかったレコード。つまり、購入した人は手放せないレコードだったのだろう。

CDとして発売されたのは2003年8月18日。武田和命の命日。しかし、その情報を見逃してしまい、その後の中古CD市場にも出て来なかった。そして、40年ぶりにようやく出会えた。録音は埼玉県坂戸文化会館だが、ライブ演奏ではない。

1. Soul Trane
2. Theme For Ernie
3. Aisha
4. It's Easy To remember
5. Once I talked
6. Our days
7. Little Dream
8. Gentle November

武田和命 - tenor saxophone
山下洋輔 - piano
国仲勝男 - bass
森山威男 - drums

Recorded on September 20 & 21, 1979 at Sakado-Bunka-Kaikan, Saitama.

高柳昌行 / 銀巴里セッション

内田修氏の解説を読み直すと、1963年6月26日の深夜に始まった『銀巴里』のセッションは夜明けと共に終了し、店員が後片付けしている中で菊池雅章が一人ピアノに向かってバラード曲を弾き続けたとある。残念ながら、CD化でLPに収録された4曲以外のサプライズは挿入されなかった。このアルバムは内田氏のプライベート録音である。

この日のライブは、次の意味があったようだ。麻薬を断ち切るために高柳昌行が演奏活動を中止する。そして、麻薬によって刑務所に1年半収監され、その刑を終えた富樫雅彦がカムバックする。今考えれば、集まったメンバーが凄く、緊張感の高いセッションだったのだろう。

1. Greensleeves
2. Nardis
3. If I Were A Bell
4. Obstruction

Track 1
高柳昌行 - guitar / 金井英人 - bass / 稲葉国光 - bass / 富樫雅彦 - drums
Track 2
菊地雅章 - piano / 金井英人 - bass / 富樫雅彦 - drums
Track 3
日野晧正 - trumpet / 中牟礼貞則 - guitar / 稲葉国光 - bass / 山崎弘 - drums
Track 4
宇山恭平 - guitar / 山下洋輔 - piano / 金井英人 - bass / 富樫雅彦 - drums

録音 1963年6月26日 / 東京銀座「銀巴里」