Thelonious Monk / It's Monk's Time

1964年2月28日号のタイム誌の表紙を飾ったモンク。表紙にはJAZZ: Bebop and Beyondと書かれている。アルバムタイトルは「タイム」をヒントにし、ジャケットも表紙に合わせている。しかしながら、4回のセッションをまとめたアルバムであるが、その間には1か月以上の開きがある。そして、3回はタイム誌発売前に行なわれたものだ。

4回目の3月9日のセッションは、本作をタイムリーにリリースするために急遽企画されたものだろう。寄せ集めとまでは言わないものの、全体的には、いま一つ精彩に欠けた感じがする。つまり、タイム誌の表紙がなければ、お蔵入りしてしまった可能性がある録音。そうでなければ、不必要にセッションの日程を開けるはずはなかった。

1. Lulu's Back In Town
2. Memories Of You
3. Stuffy Turkey
4. Brake's Sake
5. Nice Work If You Can Get It
6. Shuffle Boil
7. Epistrophy [take 1]
8. Nice Work If You Can Get It [take 2]
9. Shuffle Boil [take 5]

Charlie Rouse - tenor saxophone (except tracks 2,5,8)
Thelonious Monk - piano
Butch Warren - bass (except tracks 2,5,8)
Ben Riley - drums (except tracks 2,5,8)

Recorded on January 29 & 30, February 10 and March 9, 1964.

Thelonious Monk / 1963 In Japan

セロニアス・モンクは、1963年5月に初来日。5月21日の東京サンケイホールでのライブがアルバムMonk In Tokyoとしてリリース。そして、23日にTBSのスタジオでTV番組向けの収録があった。その演奏がタイトル1963 In Japanとなって20年後の1983年にようやく発売された。最近、輸入盤中古CDを探し出し、手に入れることができた。

LPのライナーノーツは、石原康行氏と藤本雄三氏が担当。藤本氏は1963年5月のモンクの来日の事を中心に書いていて、石原氏はスタジオ録音プロジェクトのメンバーであったため、この日のモンクの様子をしっかり書いている。モンクは、オーバーを着て帽子をかぶり汗だくになって演奏し、ピアノの演奏から外れた時は踊りだしたと。そして、右手の大きな指輪がゆるくてピアノのキーにあたってしまったとも。スタジオでのモンクの振る舞いを想像しながら、このアルバムを聴くと楽しみが増える。もしかしたらとYouTubeを調べたら、あった!

1. Evidence
2. Blue Monk
3. Just A Gigolo
4. Bolivar Blues
5. Epistrophy

Charlie Rouse - tenor saxophone
Thelonious Monk - piano
Butch Warren - bass
Frankie Dunlop - drums

Recorded on May 23, 1963 at Tokyo Broadcasting System TV, G Studio.

Thelonious Monk / Monk In Tokyo

1963年4月号のスイングジャーナルの特報『セロニアス・モンク四重奏の来日確定か?』は「モンクの来日は、我国の戦後ジャズ界最大のイベントである」と結んでいる。このライブアルバムがその戦後最大なのだが、日本では廃盤状態。戦後は遠くなったのである。数年前、2枚組CDで1,347円という廉価な輸入盤を見つけ購入。63年5月の大手町サンケイホールでの録音が、ケンタッキー州シェファーズビルから届いた。なんとも不思議な感じ。これをグローバル化というのだろうか。

全11曲、十分な音質でモンクを楽しめる。ライナーノーツは児山紀芳氏が担当。輸入盤なので英文。その中でこんな一文を見つけた。As is obvious from the performance of "Hackensack" and "Blue Monk", from the last half of the show, Monk and his quartet were inspired by the audience.(ハッケンサックとブルーモンクのパフォーマンスからも明らかなように、公演後半からモンクと彼のカルテットは観客に触発された)。ということは、本作は当日の演奏順に収録しているようだ。モンクの演奏だけでなく、アルバム制作者にも拍手。

Disc 1
1. Straight, No Chaser
2. Panonica
3. Just A Gigolo
4.Evidence (Justice)
5. Jackie-Ing
6.Bemsha Swing
7.Epistrophy

Disc 2
1.I'm Getting Sentimental Over You
2.Hackensack
3.Blue Monk
4.Epistrophy

Charlie Rouse - tenor saxophone
Thelonious Monk - piano
Butch Warren - bass
Frankie Dunlop - drums

Recorded on May 21, 1963 at Sankei Hall, Tokyo.