Thelonious Monk / Monk

モンクのアルバムは、きちんと体系化されていない。自分が知らなかったアルバムを見つけると、ディスコグラフィーを眺めながら、所有しているアルバムとダブっていないかを確認している。1964年10月の録音は手元にないことが分かり購入。とにもかくにも、安易なタイトル『モンク』は勘弁してほしい。

で、演奏内容であるが、テナーのチャーリー・ラウズがモンクと見事に同化している。豪放、スピード感、そして緊張感などという軸で評価できる演奏ではない。言わば、「モンク感」とでもいうような感覚。ベース、ドラムを含めた4人がモンクになってしまった。なので、タイトルはMonk's Emotionでどうだろうか。

1. Liza (All The Clouds'll Roll Away)
2. April In Paris [take 6]
3. Children's Songs (That Old Man)
4. I Love You (Sweetheart Of All My Dreams)
5. Just You, Just Me
6. Pannonica [re-take 2]
7. Teo
8. April In Paris [take 1]
9. Pannonica [take 2]
10. Medley: Just You, Just Me / Liza (All The Clouds'll Roll Away)

Charlie Rouse - tenor saxophone (except track 4)
Thelonious Monk - piano
Larry Gales - bass (except track 4)
Ben Riley - drums (except track 4)

Recorded on March 9, 1964 (track 7), October 6, 7 & 8, 1964 (tracks 1-6,8-10).

Thelonious Monk / Live At The 1964 Monterey Jazz Festival

モンタレー・ジャズ・フェスティバル・レコードが2007年に設立され、その第1弾として同年7月にリリースされたのが、マイルスの1963年9月のライブアルバム。そして、翌8月には、モンクの64年9月録音の本作がリリース。それぞれのディスコグラフィーには、未だに掲載されていないアルバムである。

ベースはSteve Swallow(スティーヴ・スワロウ)が参加していて、モンクとの共演はこのライブのみ。ベーシストが誰であろうが、モンクの表現方法は全く変わらない。むしろ、スワロウはベースソロのとき、モンクの楽曲イメージを壊さないよう意識している。そして、岡崎正道氏のライナーノーツによると、Buddy Collette(バディ・コレット)が9人編成のためにラスト2曲のアレンジ譜を書いたそうだ。自分の作品をアレンジして貰ったことに、モンクはかなり気を良くして演奏したに違いない。なお、同日のモンタレーでミンガスは12人編成によるライブを行っている。

1. Blue Monk
2. Evidence
3. Bright Mississippi
4. Rhythm-A-Ning
5. Think Of One
6. Straight, No Chaser

Charlie Rouse - tenor saxophone
Thelonious Monk - piano
Steve Swallow - bass
Ben Riley - drums
Buddy Collette - saxophone, flute (tracks 5,6)
Jack Nimitz - baritone saxophone (tracks 5,6)
Lou Blackburn - trombone (tracks 5,6)
Bobby Bryant - trumpet (tracks 5,6)
Melvin Moore - trumpet (tracks 5,6)

Recorded on September 20, 1964 at the Monterey Jazz Festival.

Thelonious Monk / It's Monk's Time

1964年2月28日号のタイム誌の表紙を飾ったモンク。表紙にはJAZZ: Bebop and Beyondと書かれている。アルバムタイトルは「タイム」をヒントにし、ジャケットも表紙に合わせている。しかしながら、4回のセッションをまとめたアルバムであるが、その間には1か月以上の開きがある。そして、3回はタイム誌発売前に行なわれたものだ。

4回目の3月9日のセッションは、本作をタイムリーにリリースするために急遽企画されたものだろう。寄せ集めとまでは言わないものの、全体的には、いま一つ精彩に欠けた感じがする。つまり、タイム誌の表紙がなければ、お蔵入りしてしまった可能性がある録音。そうでなければ、不必要にセッションの日程を開けるはずはなかった。

1. Lulu's Back In Town
2. Memories Of You
3. Stuffy Turkey
4. Brake's Sake
5. Nice Work If You Can Get It
6. Shuffle Boil
7. Epistrophy [take 1]
8. Nice Work If You Can Get It [take 2]
9. Shuffle Boil [take 5]

Charlie Rouse - tenor saxophone (except tracks 2,5,8)
Thelonious Monk - piano
Butch Warren - bass (except tracks 2,5,8)
Ben Riley - drums (except tracks 2,5,8)

Recorded on January 29 & 30, February 10 and March 9, 1964.