Sonny Rollins / Horn Culture

インパルスからマイルストーンに移籍後、アルバムNext Albumに次ぐ作品。このアルバムから増尾好秋がロリンズ・グループに参加。自分が高校生の頃、ラジオのディスクジョッキーが増尾の参加を話題にしていたことを覚えている。

LPのライナーノーツは岡崎正道氏が担当。1曲目Pictures In The Reflection Of A Golden Hornでは、ロリンズがあとからもう一本のサックスをダブル・レコーディングさせているとあった。ジャケット裏にThrough overdubbing, Rollins is heard on more than one saxophone on some selections.の表記を発見。これはプロデューサーのオリン・キープニュースの発案だったのだろうか。そして、こんなやり方も一つのHorn Culture(ホーン文化)だと言う事なのか。

1. Pictures In The Reflection Of A Golden Horn
2. Sais
3. Notes For Eddie
4. God Bless The Child
5. Love Man
6. Good Morning Heartache

Sonny Rollins - tenor saxophone (all tracks), soprano saxophone (track 2)
Yoshiaki Masuo - guitar
Walter Davis Jr. - piano (tracks 1,3-6), electric piano (track 2)
Bob Cranshaw - electric bass
David Lee - drums
Mtume - percussion (tracks 1,3-5), piano (track 2)

Recorded in June - July 1973 in NYC.
Recorded on June 7, 1973 at Berkeley, CA.

Sonny Rollins / Next Album

LPのライナーノーツで児山紀芳氏が1982年10月20日付けで次のように書いている。「36歳で『イースト・ブロードウェイ・ラン・ダウン』を吹き込んでからのロリンズは"次のアルバム"までになんと6年もの歳月をかけた。自己の音楽に厳しい恐るべき真剣さといわねばなるまい」。果たしてそうだろうか。前作を録音した66年当時のロリンズは、迷いに迷っていたはずだ。

それはコルトレーンとの差別化であった。にもかかわらず、67年7月にコルトレーンが他界した翌年、ヨーロッパでの公演(68年9月6日、コペンハーゲン)でトレーンの曲Naimaを演奏している。つまり、このアルバムに辿り着いたのは、「恐るべき真剣さ」ではなく、トレーン後に自己に課せられたジャズの道しるべを示さざるを得なかった、と解釈したい。確かに、トレーン死後に彼の音楽を追従するサックス奏者が多くあったが、ロリンズは自分の道を再確認して歩み始めた、その第一歩がこのアルバムである。

児山氏の解説を読み直したところ、2曲目のPoinciana(ポインシアナ)の録音をきっかけにグループの演奏が好調子になったとある。所有するアルバムで、この曲を収録しているのは他に2枚のみ。アーマッド・ジャマルのBut Not For Me(58年1月録音)、キース・ジャレットのWhisper Not(99年7月録音)。正直、ジャマルの演奏が一番シビレル。

1. Playin' In The Yard
2. Poinciana
3. The Everywhere Calypso
4. Keep Hold Of Yourself
5. Skylark

Sonny Rollins - tenor saxophone (tracks 1,3-5), soprano saxophone (track 2)
George Cables - electric piano (tracks 1,2), piano (tracks 3-5)
Bob Cranshaw - bass (tracks 2-5), electric bass (track 1)
Jack DeJohnette - drums (tracks 1,4)
David Lee - drums (tracks 2,3,5)
Arthur Jenkins - congas, percussion (tracks 1,3)

Recorded on July 14 & 27, 1972 in NYC.

Sonny Rollins / East Broadway Run Down

ロリンズがRCAからインパルスに移籍して残したアルバムは次の4枚。括弧内は録音日。There Will ... はライブ録音、Alfeは映画音楽なので、インパルスらしさを打ち出したのは2枚のみ。
・There Will Never Be Another You (June 17, 1965)
・On Impulse! (July 8, 1965)
・Alfie (January 26, 1966)
・East Broadway Run Down (May 9, 1966)

さらに、East ... は、前年にコルトレーングループを脱退したエルビン、そして在籍中のギャリソンをリズム陣として迎え入れた。極めてロリンズらしくないアルバム。ロリンズの意図はどこにあったのだろう。コルトレーンを意識していたことは間違いない。だが追従はしたくない。ピアノレスにしよう。替りにトランペットを入れよう。長尺のオリジナル曲を創ろう。結果は、失敗だった。なぜなら、次のアルバムNext Albumの録音が1972年7月。6年間の隠遁生活に入ったからだ。ただし、1968年には日本とヨーロッパで公演している。新たに発見したのは、以下のアルバム(廃盤)。コルトレーンのNaimaが演奏されているのだ!

Sonny Rollins In Denmark 1 & 2
Vol.1 - 1. Four / 2. Naima
Vol.2 - 1. Three Little Words / 2. St. Thomas / 3. Sonnymoon For Two / 4. Medley / 5. When Lights Are Low

Sonny Rollins - tenor saxophone / Kenny Drew - piano
Niels-Henning Ørsted Pedersen - bass / Albert Heath - drums
Recorded on September 6, 1968 at "Jazzhus Montmartre", Copenhagen, Denmark.

* * *
1. East Broadway Run Down
2. Blessing In Disguise
3. We Kiss In A Shadow

Sonny Rollins - tenor saxophone
Freddie Hubbard - trumpet
Jimmy Garrison - bass
Elvin Jones - drums

Recorded on May 9, 1966 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.