Sonny Rollins / Don't Stop The Carnival

2枚組輸入盤LPを所有していたので、日本語ライナーノーツがなく、このライブコンサートのバックグランド的な知識は持っていなかった。今回、見開きのジャケットの中にプロデューサーであるオリン・キープニュースの解説があることを知り、Free Online OCRとGoogle翻訳の力を借りて訳してみた(楽な時代になったものだ)。このライブは、ロリンズが1978年1月にカーネギーホールでコンサートをやったときにキープニュースと企画したらしい(こちらのコンサートはアルバム化されていない)。ロリンズからドナルド・バードとの共演の提案があり企画が進んで行った模様。サンフランシスコのグレート・アメリカン・ミュージックホール(470人収容)をリハーサルを含めた4日間押さえ、最後にドラムがトニー・ウィリアムスに決まったとのこと。

3日間連続のコンサートで計6セット。その中からメンバー紹介を含む10曲がアルバムに収録された。バードは5曲で参加している。キープニュースはロリンズとバードの共演は20年振りと解説。調べてみると、アルバムSonny Rollins Vol.1(56年12月16日録音)での1回しか共演はなく、正確には21年4か月振りである。リハーサルを1日やっただけでは、二人の丁々発止のやり取りとはならなかったのだろう。残念ながら、いま一つ盛り上がりに欠けるアルバム。カーニバルはもう終わったという感じ。

1. Don't Stop The Carnival
2. Silver City
3. Autumn Nocturne
4. Camel
5. Introducing The Performers
6. Nobody Else But Me
7. Non-Cents
8. A Child's Prayer
9. President Hayes
10. Sais

Sonny Rollins - tenor saxophone, soprano saxophone
Donald Byrd - trumpet, flugelhorn (tracks 6-10)
Aurell Ray - electric guitar
Mark Soskin - piano, electric piano
Jerome Harris - electric bass
Tony Williams - drums

Recorded on April 13, 14 & 15, 1978 at The Great American Music Hall, San Francisco, CA.

Sonny Rollins / Easy Living

3つのポイントがあるアルバム。まずタイトル。5曲目のEasy Livingはスタンダードナンバー。収録曲からタイトルを付けることは多いが、ロリンズはコンセプトとしてEasy Livingがまず浮かび、この曲を入れることにしたのだろう。エレクトリック・サウンドの導入に批判がくることを予想して、「まぁ、気ままにいこうよ」とのメッセージを贈ろうとしたのだ。

つぎは、スティーヴィー・ワンダー作のヒット曲Isn't She Lovely?を1曲目に置き、簡潔なメッセージに「楽しくやろうよ」的な意味合いを付け加えようとした。さらに、ジャケットには自身の写真を使わず、自然のイメージを出すため、ありふれた雑木林のクローズアップ写真をさりげなく配置。つまり、ロリンズは、自分が今やりたいジャズを分かって欲しいという気持ちがあったに違いない。

1. Isn't She Lovely?
2. Down The Line
3. My One And Only Love
4. Arroz Con Pollo
5. Easy Living
6. Hear What I'm Saying

Sonny Rollins - tenor saxophone, soprano saxophone
Charles Icarus Johnson - guitar (tracks 1,2)
George Duke - piano, electric piano
Paul Jackson - electric bass (tracks 2-4,6)
Byron Miller - electric bass (track 1)
Tony Williams - drums
Bill Summers - congas (track 1)

Recorded on August 3, 4, 5 & 6, 1977 at Fantasy Studios, Berkeley, CA.

Sonny Rollins / The Way I Feel

ご機嫌な感じのIsland Ladyで幕を開けるアルバム。ロリンズはいつものように豪快にサックスを吹くのだが、いま一つ炸裂し切れていない感じ。それは、バックの音が多過ぎるからだ。録音データを見ると、9人編成のブラス・セクションが全7曲中の5曲に入っている。録音は1976年8月と10月。日付を特定していないということは、ブラスはリミックスされたのだろう。プロデューサーはオリン・キープニュース。

輸入盤CDのジャケット裏に、ブラスのアレンジはWade Marcus(ウェイド・マーカス)と記載されている。キープニュースは、ブラスの仕上げをロリンズ抜きでマーカスに任せたということだろうか。そんな情報を仕入れてしまうと、Island Ladyでご機嫌になる聴き手が、だんだん不機嫌になってしまう。The Way I Feelの「I」ってロリンズではなくキープニュースなのか?

1. Island Lady
2. Asfrantation Woogie
3. Love Reborn
4. Happy Feel
5. Shout It Out
6. The Way I Feel About You
7. Charm Baby

Sonny Rollins - tenor saxophone
Lee Ritenour - guitar
Patrice Rushen - piano, electric piano, clavinet, synthesizer
Charles Meeks - electric bass (tracks 1,2,4-5)
Alex Blake - bass (tracks 3,6,7)
Billy Cobham - drums
Bill Summers - conga, percussion

Tracks 1, 2, 4, 5 & 6 - brass section
Bill Green - piccolo, flute, soprano saxophone
Oscar Brashear, Gene Coe, Chuck Findley - trumpet
George Bohanon, Lew McCreary - trombone
Alan Robinson, Marilyn Robinson - French horn
Don Waldrop - tuba

Recorded in August & October, 1976 at Fantasy Studios, Berkeley, CA.