McCoy Tyner / Plays John Coltrane

コルトレーンが他界したのは1967年7月17日。それから30年が過ぎた97年9月23日、なぜにマッコイはコルトレーンに捧げるライブをビレッジ・バンガードで行ったのだろうか?・・・と疑問に思っていた。よく調べてみると、コルトレーンは1926年9月23日生まれ。存命であれば、この日は71歳の誕生日だったのである。

ただ、コルトレーンのディスコグラフィーを見ると、ジョージ・ムラーツとアル・フォスターはコルトレーンとのセッションを一度も経験していない。彼らの演奏に不満がある訳でなく、コルトレーンと縁があったベーシストとドラマーでないことが残念。なお、ジャケットには収録曲とコルトレーンのアルバムが記載されている。選曲の理由なのだろう。

1. Naima
  - Giant Steps (1959, Atlantic)
  - The Complete 1961 Village Vanguard Recordings (1961, Impulse!)
  - Live At The Village Vanguard Again! (1966, Impulse!)
2. Moment's Notice
  - Blue Train (1957, Blue Note)
3. Crescent
  - Crescent (1964, Impulse!)
4. After The Rain
  - Impressions (1963, Impulse!)
5. Afro Blue
  - Live at Birdland (1963, Impulse!)
6. I Want to Talk About You
  - Lush Life (1957, Prestige)
  - Live at Birdland (1963, Impulse!)
7. Mr. Day
  - Coltrane Plays the Blues (1960, Atlantic)

McCoy Tyner - piano
George Mraz - bass
Al Foster - drums

Recorded on September 23, 1997 at The Village Vanguard, NYC.

McCoy Tyner / Things Ain't What They Used To Be

ジャズのアルバムとしては、珍しい構成。全13曲中の8曲がマッコイ・タイナーのピアノソロ。残り5曲がデュオなのだが、3曲はジョン・スコフィールドと、2曲はジョージ・アダムスと組んでいる。ソロが1989年11月2日、デュオが11月27日の録音で、いずれもスタジオではなく、Merkin Hallというコンサートホール。Wikipediaによると449席とあったので、比較的小さなホール。スタジオでは得られない音響効果を狙ったのかも知れない。

スコフィールドとアダムスは、そこで顔を合わせたのだろう。だとすれば、「1曲くらいトリオでやろうよ」とならなかったのが不思議。この時、マッコイは50歳を過ぎていた。円熟味溢れる演奏である。デューク・エリントン作のThings Ain't What They Used to Be(昔はよかったね)をアルバムタイトルにしたのは、何となく意味深な感じがするのだが。

1. The Greeting
2. Naima
3. I Mean You
4. Here's That Rainy Day
5. Things Ain't What They Used to Be
6. Joy Spring
7. Lush Life
8. Song for My Lady
9. Sweet and Lovely
10. What's New?
11. Search for Peace
12. Blues on the Corner
13. My One and Only Love

McCoy Tyner - piano
John Scofield - guitar (tracks 3, 4 & 6)
George Adams - tenor saxophone (tracks 12 & 13)

Recorded on November 2, 1989 (solos), and November 27, 1989 (duets) at Merkin Hall, NYC.

McCoy Tyner / Revelations

マッコイのこのソロアルバムの存在は、まったく知らなかった。それは、1987年6月録音のアルバムSummertimeを聴いて、もうマッコイには期待できないと感じたからである。最近、アマゾンで格安の中古輸入盤を見つけ購入してみた。全13曲でそれぞれ4分から6分程度の演奏。マッコイの作品は、その中の5曲。

プロデュースしたMichael Cuscuna(マイケル・カスクーナ)が解説を書いている。ニューヨークのリンカーンセンター近くにある小さなコンサートホールMerkin Hallのステージを3日間使って録音。リハーサルで最初にDon't Blame Meを弾き、そのプレイバックを聴いてマッコイをこう言ったそうだ。"Boy, I must be in a mood to do this!"(これはいいぞ、やる気が出て来た!)。13曲を1回か2回のテイクで完成させたらしい。1972年11月に東京で録音したソロアルバムEchoes Of A Friendから16年。タイトルをRevelations(黙示録)としたのは、マッコイが新たな自分の力を感じたということだろうか。だとすれば、ブルーノートはジャケットに手抜きをすべきではなかった。

1. Yesterdays
2. You Taught My Heart To Sing
3. In A Mellow Tone
4. View From The Hill
5. Lazy Bird
6. Don't Blame Me
7. Rio
8. How Deep Is The Ocean?
9. Someone To Watch Over Me
10. Contemplation
11. Autumn Leaves
12. Peresina
13. When I Fall In Love

McCoy Tyner - piano

Recorded on October 25 (tracks 2, 5, 6, 9 & 10), 26 (tracks 1, 3, 7, 8 & 13) and 27 (tracks 4, 11 & 12), 1988 at Merkin Hall, NYC.