Miles Davis / More Music From The Legendary Carnegie Hall Concert

マイルスの未発表作品(1999年1月リリース)。同日の録音はアルバムAt Carnegie Hallですでに発売されていた。従って、このアルバムの5曲のみが紛失されたとは考えにくい。2枚組みでの発売も検討したのだろうが、安全策を取ったのか。それとも、アランフェス協奏曲は売れないと判断したのか。たしかに、アランフェスはアルバムSketches Of Spainに収録されていて完成された演奏。ゆえに、同曲のライブアルバム発売は長い時間を必要としたのだろう。

マックス・ローチの乱入については、At Carnegie Hallのブログで書いたが、マイルス自叙伝②には次のようにあった。「それは、すばらしい音楽の夕べだった。予想していなかった唯一の混乱は、マックス・ローチが何人かを引き連れて、プロテストに来て、ステージに座り込んだことだった。〈中略〉だがオレが問題にしたのは、演奏が始まろうって時に、プラカードを持ってステージに座り込んで、音楽を台なしにしてしまったことだ。彼が来た時に、オレはちょうど演奏を始めるところだったから、調子が狂ってしまったんだ」。マイルスはローチの行動に怒っていない。そういうことは休憩時間にやれよと言っている感じだ。

1. Concierto De Aranjuez (Part 1)
2. Concierto De Aranjuez (Part 2)
3. Teo
4. Walkin'
5. I Thought About You

Miles Davis - trumpet
Hank Mobley - tenor saxophone (tracks 3-5)
Wynton Kelly - piano (tracks 3-5)
Paul Chambers - bass
Jimmy Cobb - drums
Gil Evans And His Orchestra (tracks 1,2)

Recorded on May 19, 1961 at Carnegie Hall, NYC.

Miles Davis / At Carnegie Hall

このアルバムで、『日々JAZZ』のブログ数が3,500となった。2010年11月2日に、アルバムMingus In Europe Volume 1からスタート。今日(19年11月24日)までの日数を、オンラインで計算したら2,944日と出て来た。「日々」を大幅にクリア。「所有するジャズアルバム、そしてディランを中心に…」というスタンスなので、+556が「徒然ディラン」とほぼ一致。ようやくここまで。まだまだこれから。

マイルスが録音を拒否したライブ演奏だったらしい。その真意はよく分からない。だが、テオ・マセロが密かに録音し、マイルスからはOKが出たそうだ。このライブでのハプニング。客席にいたマックス・ローチが「アフリカ人民のためのアフリカ!今こそ自由を!」と書いたプラカードを掲げて舞台に座り込んだ。この騒動は第一部と第二部の休憩時間、もしくはSomeday My Prince Will Comeの演奏途中という記述もある。確かに、この曲はあっと言う間に終わってしまう。いかにも不自然。

マックス・ローチがアルバムWe Insist!を録音したのは1960年11月。マイルスは前進を続けていたが、人種問題は何も進んでいなかった。ジャケットを回転しトリミングすると、マイルスはマックス・ローチと会話しているようだ。

1. So What
2. Spring Is Here
3. No Blues
4. Oleo
5. Someday My Prince Will Come
6. Medley: The Meaning Of The Blues - Lament
7. New Rhumba

The Miles Davis Quintet
Miles Davis - trumpet
Hank Mobley - tenor saxophone
Wynton Kelly - piano
Paul Chambers - bass
Jimmy Cobb - drums

The Gil Evans Orchestra
Ernie Royal, Bernie Glow, Johnny Coles, Louis Mucci - trumpets
Jimmy Knepper, Dick Hixon, Frank Rehak - trombones
Julius Watkins, Paul Ingrahan, Bob Swisshelm - French horns
Bill Barber - tuba
Romeo Penque, Jerome Richardson, Eddie Caine, Bob Tricarico, Danny Bank - reeds
Janet Putnam - harp
Bobby Rosengarden - percussion

Recorded on May 19, 1961 at Carnegie Hall, NYC.

Miles Davis / At The Blackhawk Vol.2

CDはボーナストラックが付く事が多々ある。ところが、このCDにはLPにあったOn Green Dolphine Streetを削除。つまり、鋏が入っていた他の曲の完全復活を優先。例えば、1曲目のWell, You Needn'tは、LPでは4分45秒だったのが、CDでは8分11秒になった。CDのライナーノーツを担当した中山康樹氏は、そのことには一切触れていない(2013年11月付け)。データ重視の中山氏が気づかないはずはなく、口止めされたのだろう。

Vol.1とVol.2に分かれたアルバムで、前者はFriday Night、後者はSaturday Nightのタイトル。1961年4月21日は金曜日。Vol.1は21日の演奏を収録しているが、Vol.2は21日(Fran-Dance / Oleo / If I Were A Bell)と22日(Well, You Needn't / So What / Neo)からの収録である。中山氏は22日のライブと書いているが、これは間違い。マイルスのライブアルバムとしては、最初にリリースされたAt The Blackhawkだが多くの問題点を残した。そもそも、このライブ演奏には、やる気のなかったマイルスなのだ。

1. Well, You Needn't
2. Fran-Dance
3. So What
4. Oleo
5. If I Were A Bell
6. Neo

Miles Davis - trumpet
Hank Mobley - tenor saxophone
Wynton Kelly - piano
Paul Chambers - bass
Jimmy Cobb - drums

Recorded on April 21 & 22, 1961 at The Blackhawks, San Francisco.