マイルスの未発表作品(1999年1月リリース)。同日の録音はアルバムAt Carnegie Hallですでに発売されていた。従って、このアルバムの5曲のみが紛失されたとは考えにくい。2枚組みでの発売も検討したのだろうが、安全策を取ったのか。それとも、アランフェス協奏曲は売れないと判断したのか。たしかに、アランフェスはアルバムSketches Of Spainに収録されていて完成された演奏。ゆえに、同曲のライブアルバム発売は長い時間を必要としたのだろう。
マックス・ローチの乱入については、At Carnegie Hallのブログで書いたが、マイルス自叙伝②には次のようにあった。「それは、すばらしい音楽の夕べだった。予想していなかった唯一の混乱は、マックス・ローチが何人かを引き連れて、プロテストに来て、ステージに座り込んだことだった。〈中略〉だがオレが問題にしたのは、演奏が始まろうって時に、プラカードを持ってステージに座り込んで、音楽を台なしにしてしまったことだ。彼が来た時に、オレはちょうど演奏を始めるところだったから、調子が狂ってしまったんだ」。マイルスはローチの行動に怒っていない。そういうことは休憩時間にやれよと言っている感じだ。
1. Concierto De Aranjuez (Part 1)
2. Concierto De Aranjuez (Part 2)
3. Teo
4. Walkin'
5. I Thought About You
Miles Davis - trumpet
Hank Mobley - tenor saxophone (tracks 3-5)
Wynton Kelly - piano (tracks 3-5)
Paul Chambers - bass
Jimmy Cobb - drums
Gil Evans And His Orchestra (tracks 1,2)
Recorded on May 19, 1961 at Carnegie Hall, NYC.