このアルバムで一番印象的なのは、5曲目のフリーダム・ジャズ・ダンス。曲が始まってもウェイン・ショーターが入ってこない。普通ならば録音中止で撮り直しである。さらに、マイルスとショーターによるテーマのユニゾンで、マイルスはメロディーを省略している。確かに難しい曲。学生時代、ウッドベースのソロでこの曲の練習を繰り返したが完成には至らず。マイルスも手抜きしたのだ。
マイルス自叙伝②では、本作については「このレコードじゃ、オレ達が一所懸命新しいことを求めて、手を伸ばしていることがわかるはずだ」という短い記載しかない。撮り直しを繰り返し、失敗のない演奏をアルバムに収録することは価値がない、とも受け取れる。失敗なんて笑って済ませる話だとも言っている気がする。だから、タイトルはMiles Smilesなのだ。
1. Orbits
2. Circle
3. Footprints
4. Dolores
5. Freedom Jazz Dance
6. Gingerbread Boy
Miles Davis - trumpet
Wayne Shorter - tenor saxophone
Herbie Hancock - piano
Ron Carter - bass
Tony Williams - drums
Recorded on October 24 & 25, 1966 at Columbia 30th Street Studios, NYC.