Miles Davis / Pangaea

1975年2月1日、大阪フェスティバルホールで昼と夜のコンサート。午後4時スタートの昼の部がアルバム『アガルタ』、インターバル1時間後の夜の部がアルバム『パンゲア』に収録された。夜の第1部が41分49秒のZimbabwe(ジンバブエ)、第2部が46分51秒のGondwana(ゴンドワナ)。『アガルタ』同様に『パンゲア』もライブ演奏がノーカットで記録されている。LPの両面に収まる曲の長さ。タイムキーパーがいたに違いない。それはマイルス自身だったのか、それとも、この日の録音に同行したテオ・マセロだったのか。

Gondwanaの36分23秒。静寂が訪れ、クライマックスまで続くリズムパターン。40分15秒、45分13秒にマイルスのトランペットが瞬間的に響くだけ。午後4時からのライブ。かなり疲れていたはずだ。LPのライナーノーツにはこう記載されている。「このレコードはあなたの聴覚が麻痺しない範囲まで、ボリュームを上げて、お聴き下さい」。マイルス自身が麻痺していた夜の部『パンゲア』。

Disc 1
1. Zimbabwe

Disc 2
1. Gondwana

Miles Davis - electric trumpet with wah-wah, organ
Sonny Fortune - soprano saxophone, alto saxophone, flute
Pete Cosey - electric guitar, synthesizer, percussion
Reggie Lucas - electric guitar
Michael Henderson - electric bass
Al Foster - drums
James "Mtume" Forman - conga, percussion, water drum, rhythm box

Recorded on February 1 (night part), 1975 at Osaka Festival Hall, Japan.

Miles Davis / Agharta

1975年2月1日、大阪フェスティバルホールで昼と夜のコンサート。午後4時スタートの昼の部がアルバム『アガルタ』、インターバル1時間後の夜の部がアルバム『パンゲア』に収録された。ライナーノーツには、児山紀芳氏によるマイルスへのインタビュー(1/31と2/1)が長文で掲載されている。その終わりに、次のようなマイルスの言葉があった。

「音楽というのは、不思議なものだ。なぜ、こうも変化するのだろう。変化が私の人生だからだろうか。その私の人生は、決してオープン・ブックではない。だから私の音楽も秘められた部分が多い。人々は、モードだのドリアン・モードだのフリジアン・モードだのエレクトロニクスなどなど、を私たちと同じようには理解していない。でも、それはそれでいいのだ。分らないからこそ、人々は驚きを得る。音楽を通して驚きを体験できるなんて、素晴らしいことじゃないか」。

LPのライナーノーツには「このレコードは住宅事情の許すかぎり、ボリュームを上げて、お聴き下さい。」と記載されていたが、CDではカット。中途半端な音量で聴いたら、驚きを体験できないのだが。

Disc 1
1. Prelude
2. Maiysha

Disc 2
1. Interlude / Theme From Jack Johnson

Miles Davis - trumpet, organ
Sonny Fortune - alto saxophone, soprano saxophone, flute
Reggie Lucas - guitar
Pete Cosey - guitar
Michael Henderson - bass
Al Foster - drums
Mtume - percussion

Recorded on February 1 (noon part), 1975 at Osaka Festival Hall, Japan.

Miles Davis / Live In Tokyo 1975

あの1975年2月1日のAgharta(アガルタ)、Pangaea(パンゲア)の10日前、ツアー初日の演奏。「アガパン」の会場が大阪フェスティバルホールに対して、こちらは新宿厚生年金ホール。FM放送用の音源をリマスター。Disc 1は55分54秒、Disc 2は24分4秒で計80分18秒。CD初期の最大収録時間74分42秒に収まらなかった。やむを得ず、第二部開始の曲IfeをDisc 1に入れてフェイドアウトしている。ならば、ディスク上で18分22秒のこの曲をDisc 2に回しても良かったと思うのだが、演奏の途中で録音トラブルがあったのかも知れない。

ちなみに、2枚組CDのディスク上では『アガルタ(昼の部)』が計106分32秒、『パンゲア(夜の部)』が計88分40秒。新宿厚生年金はツアー初日と言うことで、抑え気味だったのか。それとも、やはり何かのトラブルがあったのか。

Disc 1
1. Prelude & Funk
2. Maysha
3. Ife

Disc 2
1. Mtume
2. Turnaround Phrase
3. Tune In 5
4. Untitled

Miles Davis - trumpet, organ
Sonny Fortune - alto saxophone, soprano saxophone, flute
Reggie Lucas - guitar
Pete Cosey - guitar
Michael Henderson - bass
Al Foster - drums
Mtume - percussion

Recorded on January 22, 1975 at Shinjuku Koseinenkin Hall, Tokyo.