Miles Davis / Live At The 1963 Monterey Jazz Festival

モンタレー・ジャズ・フェスティバル・レコードが2007年に設立され、その第1弾として同年7月31日にリリースされたアルバム。ライブ演奏から44年経ってのこと。音源の著作権は主催者側にあったのだろう。マイル自叙伝②では、以下のようにマイルス自身がトニー・ウィリアムスのドラムに焚きつけられたとある。つまり、演奏内容に不満があってテープを眠らせていた訳ではないのだ。

「アンティーブで演奏した後、アメリカに戻って、8月には北カリフォルニアのサンフランシスコのちょっと南にあるモンタレーのジャズ・フェスティバルで演奏した。〈中略〉トニーはオレ達と一緒にやって、バンドを大いにたきつけた。その年の初めまで、ほとんど誰も聴いたことがなかった17歳の子供が、すべての中心になったんだ。たくさんの連中が、トニーは史上最高のドラマーになると違いないと言っていた。オレも、これだけは言える。トニーはその可能性を持っていた。そして、彼ほどすばらしい演奏をオレとした奴は、誰一人としていない。本当に恐ろしいくらいだった。それにロンやハービーやジョージだって、能なしじゃなかった。オレのバンドで、とてつもなくすばらしいことが起きているのは間違いなかった」。マイルスは8月としているが9月の間違い。翻訳した中山康樹氏も気が付かなかった。

1. Waiting For Miles
2. Autumn Leaves
3. So What
4. Stella By Starlight
5. Walkin'
6. The Theme

Miles Davis - trumpet
George Coleman - tenor saxophone
Herbie Hancock - piano
Ron Carter - bass
Tony Williams - drums

Recorded on September 20, 1963 at the Monterey Jazz Festival.

Miles Davis / In Europe

タイトルはIn Europeだが、フランス・アンティーブでのジャズ・フェスティバルのライブ録音。なぜにEuropeとしてしまったのか。それより、このアルバムはマイルスを聴くというより、トニー・ウィリアムスを聴かなければならない。1945年12月12日生れのトニーは、この時はまだ17歳!!なのだ。そして、マイルス自身が、トニーのことを絶賛している。以下は、マイル自叙伝②からの抜粋。

「アメリカでの二、三週間のツアーに続いて、南フランスの地中海のニースに近いアンティーブに行って、そこのフェスティバルで演奏した。オレ達は、そこでもみんなを、まいらせた。トニーは、奴のことを知らなかった連中の度肝を抜き、ジャズの出来事ならなんでも知っているという、フランス人のプライドまで吹き飛ばしてしまった。トニーはメンバー全員を、やたら燃え上がらせるんだ。ずっと気になっていた関節の痛みもすっかり忘れてしまうくらい、オレまで演奏に熱中させられた。トニーがいるこのバンドじゃ、なんでも望みどおりの演奏ができた。トニーがいつも、バンドのサウンドの中心だった。トニーを中心に動きまわり、燃え上がった。本当にトニーは最高だった」。トニーによって燃え上がったマイルスを捉えたアルバムである。

1. Introduction
2. Autumn Leaves
3. Milestones
4. Joshua
5. All Of You
6. Walkin'

Miles Davis - trumpet
George Coleman - tenor saxophone
Herbie Hancock - piano
Ron Carter - bass
Tony Williams - drums

Recorded on July 27, 1963 at The Antibes Jazz Festival in France.

Miles Davis / Seven Steps To Heaven

2つのセッション(1963年4月と5月)を3曲ずつ交互に配したアルバム。どちらのセッションにも参加しているのは、当然ながらマイルスであるが、ベースのロン・カーターも参加しているのが興味を抱く。そして、ハービー・ハンコックとトニー・ウィリアムスが5月のセッションに参加。マイルス自叙伝②には、マイルスの昂奮した様子が書かれている。

『オレ達(マイルス、ハービー、ロン、トニー)は、次のレコード〈セブン・ステップス・トゥ・ヘブン〉を終わらせようとしていた。するとハービーは、こう聞いてきた。「それは、僕もあなたのバンドに入れたということですか?」「オレ達と一緒にレコードを作るんじゃないのかい?」。オレは答えた。新しいクインテットは、ものすごいバンドになるという自信が、オレにはあった。彼らはほんの二、三日間であれだけすごくなったんだから、二、三カ月後にはどうなっているんだろうかと、こみ上げてくる昂奮があった』。ここに、黄金クインテットが始動した。

1. Basin Street Blues
2. Seven Steps To Heaven
3. I Fall In Love Too Easily
4. So Near, So Far
5. Baby Won't You Please Come Home
6. Joshua
7. So Near, So Far [alternate take]
8. Summer Night

Tracks 1, 3, 5, 7 & 8
Miles Davis - trumpet
Victor Feldman - piano
Ron Carter - bass
Frank Butler - drums
Recorded on April 16 & 17, 1963 at Columbia Studios, Los Angeles.

Tracks 2, 4 & 6
Miles Davis - trumpet
George Coleman - tenor saxophone
Herbie Hancock - piano
Ron Carter - bass
Tony Williams - drums
Recorded on May 14, 1963 at CBS 30th Street Studio, NYC.