McCoy Tyner / Song Of The New World

1973年4月録音。ハービー・ハンコックは73年9月にHead Huntersを、キース・ジャレットは73年3月と7月にSolo-Concertsを録音。その後、ハンコックは電子化へ、キースはソロの世界へ。そして、マッコイはストリングスを加えた大編成へ。ちなみに、チック・コリアは72年2月にReturn To Foreverを録音済みであった。つまり、1972年から73年は、ジャズピアニストにおいて、一つの変曲点があったと言える。ジャズをプレイヤーだけでなく、時間軸で追いかけると、また違うものが見えてくる。

マッコイは、管楽器に厚みを持たせるだけでなく、打楽器、そして弦楽器へと触手を伸ばしながら、独自のアルバム作りを推し進めていった。マイルスグループに一度も参加しなかったことが、逆にマッコイ路線を築きやすくしたのかも知れない。

1. Afro Blue
2. Little Brother
3. The Divine Love
4. Some Day
5. Song Of The New World

Sonny Fortune - alto saxophone, soprano saxophone, flute
Hubert Laws - piccolo, flute
McCoy Tyner - piano, percussion
Juini Booth - bass
Alphonse Mouzon - drums

Tracks 1, 2 & 4
Cecil Bridgewater, Jon Faddis, Virgil Jones - trumpet
Garnett Brown - trombone
Dick Griffin - trombone, baritone trombone
Willie Ruff, William Warnick III, Julius Watkins - French horn
Kiane Zawadi - euphonium
Bob Stewart - tuba

Tracks 1 & 2
Sonny Morgan - conga

Tracks 3 & 5
Harry Smyles - oboe
Sanford Allen, John Blair, Selwart Clarke, Winston Collymore, Noel DaCosta, Marie Hence - violin
Julian Barber, Alfred Brown - viola
Ronald Lipscomb, Kermit Moore - cello
William Fischer - conductor

Recorded on April 6 & 9, 1973 at A & R Studios, NYC.

McCoy Tyner / Song For My Lady

タイトルSong For My Ladyとジャケットの写真からは、バラード中心のアルバムかと想像してしまうが、参加メンバーが一丸となって突き進む闘志溢れる演奏である。マッコイ・タイナーはブルーノートからマイルストーンへ移籍し、1972年1月にアルバムSaharaを録音。そこから、マッコイの快進撃が始まった。

2曲目の「夜は千の眼を持つ」以外はマッコイの作品。72年9月6日と11月27日の2回のセッションで構成されたアルバム。その間の11月11日に、コルトレーンへ捧げたソロアルバムEchoes Of A Friendを東京で録音。そして、76年1月にアルバムFly With The Winを録音して頂点に達する。マッコイが70年代前半に目指していたジャズを理解するには、外せない一枚。

1. Native Song
2. The Night Has A Thousand Eyes
3. Song for My Lady
4. A Silent Tear
5. Essence

Sonny Fortune - alto saxophone, soprano saxophone, flute
McCoy Tyner - piano, percussion
Calvin Hill - bass
Alphonse Mouzon - drums
Michael White - violin (tracks 1,5)
Charles Tolliver - flugelhorn (tracks 1,5)
Mtume - congas, percussion (tracks 1,5)

Tracks 1 & 5
Recorded on September 6, 1972 at Mercury Sound Studios, NYC.

Tracks 2, 3 & 4
Recorded on November 27, 1972 at Mercury Sound Studios, NYC.

McCoy Tyner / Echoes Of A Friend

マッコイにとっての初のソロアルバム。1972年11月に東京で録音。1973年のジャズ・ディスク大賞金賞を受賞。スイングジャーナルが廃刊となってしまい、この賞も途切れてしまったが、本アルバムの価値は健在である。録音当時、マッコイのソロピアノは誰も考えなかっただろう。キース・ジャレットのソロ・コンサートは1973年3月と7月録音なので、キースの後追いでは無かった。

コルトレーングループ脱退後、アフリカを意識したアルバムを出し、それらの評価も高かった。コルトレーンに捧げるソロアルバムを企画した日本人関係者に拍手を送りたい。そんなマッコイも2020年3月6日に他界してしまった。享年81。

1. Naima
2. Promise
3. My Favorite Things
4. The Discovery
5. Folks

McCoy Tyner - piano

Recorded on November 11, 1972 at Victor Studio, Tokyo.