マッコイがブルーノートに残したアルバムについては、前作Time For Tynerの項目で書いた。その3ヶ月後に録音されたアルバム。心機一転とまで行かず、ベースとドラムは同じメンバー。しかし、アルバムとしてのコンセプトは少しまとまってきた感じ。Expansionsを日本語にすると、いくつかの意味が存在する。拡大、拡張、発展、膨張、伸長、展開。ジャケットのマッコイの写真を見ると膨張という感じだが、「展開」と捉えたい。
しかしながら、フロント3管はウェイン・ショーター、ゲイリー・バーツ、ウディ・ショウという豪華顔ぶれ。それぞれが自分のグループを持てる役者を揃えている。コルトレーンの死から一年余り。マッコイは彼らから刺激を受けながら、自身の方向性を決めようとしていたのだろう。マッコイの変曲点となるアルバムSaharaまでは、ここから3年以上を要するのだ。
1. Vision
2. Song Of Happiness
3. Smitty's Place
4. Peresina
5. I Thought I'd Let You Know
Wayne Shorter - tenor saxophone, clarinet
Gary Bartz - alto saxophone, wooden flute
Woody Shaw - trumpet
McCoy Tyner - piano
Ron Carter - cello
Herbie Lewis - bass
Freddie Waits - drums
Recorded on August 23, 1968 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.