Lee Morgan / Infinity

1965年11月録音ながら、リー・モーガンの死後9年経った81年にリリースされたアルバム。なぜ15年以上もテープを眠らせていたのか。65年に入り、モーガンはリーダーアルバム4枚The Rumproller、The Gigolo、Cornbread、Infinityを録音。前3枚はタイムリーにリリースされたが、本作Infinityのみが取り残されてしまった。演奏内容が他の3枚に対して劣っていた訳ではなく、単純に販売が追い付かなかったのか、立て続けに世には出さないという当時の販売戦略だったのか。

だが、4作を聴き比べると、残念ながら本作に目新しさは感じられない。それらは全て、フロント2管、もしくは3管というメンバー構成のためだろう。原田和典氏のライナーノーツによると、本作の録音を終えた夜、ニューヨークの新装ジャズクラブでこのメンバーは生演奏をやったそうだ(ベーシストのみは交代)。ならば、そのライブアルバムを残して欲しかった。そして、タイムリーにリリースしていれば、そのアルバムの価値はInfinity(無限大)に高まったはずなのだ。

1. Infinity
2. Miss Nettie B.
3. Growing Pains
4. Portrait Of Doll
5. Zip Code

Lee Morgan - trumpet
Jackie McLean - alto saxophone
Larry Willis - piano
Reggie Workman - bass
Billy Higgins - drums

Recorded on November 16, 1965 at Ruby Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Lee Morgan / The Sixth Sense

CD帯から。「ザ・サイドワインダーから始まったジャズ・ロック路線の最終章。幻のテナーサックス奏者フランク・ミッチェルを擁する3管編成で、多彩なリズムにアプローチ」。確かに、スイングジャーナル1976年4月臨時増刊『世界ジャズ人名辞典』には、ミッチェルの名前はなかった。そして、彼のWikipediaによると、参加アルバムは本作を含めて4枚のみで、「27歳で殺害されるまでアート・ブレイキーやリー・モーガンらと活動した」とある。「幻」が適切とは思わないが、短命で終わったミュージシャンである。

ライナーノーツで藤本史昭氏は、「フランク・ミッチェルを除いて全員がモーガンとの共演歴があり、かつジャズ・メッセンジャーズ経験者」と、2021年6月付けで書いている。これは明らかな間違い。ドラムのビリー・ヒギンズのみが、当然ながらメッセンジャーズの経験なし。

それよりも、CD帯にあるように「ジャズ・ロック路線」と称されることが多いこの時期のリー・モーガン。だが、必ずしも8ビートに執着していたわけではない。ザ・サイドワインダー以降のアルバムでは、参加メンバーが流動的であるものの、ヒギンスだけはほぼ固定。ヒギンズはオールマイティーのドラマー。モーガンはどんな曲想にも対応できるヒギンズがいたからこそ、様々なスタイルにチャレンジできたのだろう。その中の一つがロック調であることが、このアルバムを聴くとよく分かる。

1. The Sixth Sense
2. Short Count
3. Psychedelic
4. Afreaka
5. Anti Climax
6. The Cry Of My People
7. Extemporaneous
8. Mickey's Tune
9. Leebop

Tracks 1 - 6
Lee Morgan - trumpet
Jackie McLean - alto saxophone (tracks 1-5)
Frank Mitchell - tenor saxophone
Cedar Walton - piano
Victor Sproles - bass
Billy Higgins - drums
Recorded on November 10, 1967 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Tracks 7 - 9
Lee Morgan - trumpet
Frank Mitchell - tenor saxophone
Harold Mabern - piano
Mickey Bass - bass
Billy Higgins - drums
Recorded on September 13, 1968 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Lee Morgan / The Last Session

ジャケットとCDラベルには、明確なタイトルは書かれていない。それでは扱いにくいので、The Last Sessionと通常呼ばれている。CD帯には「ブルーノートが生んだ天才トランペッター、最後のリーダーセッション! 四管編成によって生み出されたスピリチュアルな名盤」とある。1971年9月17日と18日のスタジオ録音で、リー・モーガン死後の72年リリース。しかし、本作とほぼ同じメンバーで、72年1月28日録音のモーガン名義のライブアルバムWe Remember Youがある。こちらは、1991年リリースで、現在は廃盤に近い状態。

最期のスタジオセッションであることよりも、モーガンとビリー・ハーパーのアルバムでの初の共演に注目したい。ハーパーは、自身の作品2曲Capra BlackとCroquet Balletを提供している。それぞれ、ハーパー名義のアルバムCapra Black(73年録音)とBlack Saint(75年7月録音)に収録されていて、ハーパーの自信作だろう。だからこそ、自分のアルバムを出す前に、モーガンとのセッションに持ち込んだのである。なので、Morgan Meets Harperと呼びたいアルバム。

1. Capra Black
2. In What Direction Are You Headed?
3. Angela
4. Croquet Ballet
5. Inner Passions-Out

Lee Morgan - trumpet, flugelhorn (track 3)
Grachan Moncur III - trombone
Bobbi Humphrey - flute
Billy Harper - tenor saxophone, alto flute
Harold Mabern - piano, electric piano
Reggie Workman - bass, percussion
Jymie Merritt - electric upright bass
Freddie Waits - drums, recorder (track 3)

Recorded on September 17 (tracks 2-5) & 18 (track 1), 1971 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.