加川良 / 駒沢あたりで

アルバムタイトルを2曲目の「駒沢あたりで」ではなく、7曲目の「祈り」にして欲しかった。そして、それに合わせたジャケットに。そもそも、このアルバムの中で「駒沢あたりで」だけが、加川良以外の作品。2011年3月20日、東日本大震災で被災された方々にこの曲を贈りたい、と自分のブログに書いた。以下は、加川良・作詞作曲「祈り」の二番の歌詞。YouTubeで聴くこともできる。

あなたと耳をすましている 時の流れを見送っている
命の紐をといてやる 心の目覚めを待っている
あなたと耳をすましている 虹の真下をくぐっている
それでもっと耳をすましてみる もう聞こえない 何も聞こえない

1. 女の証し
2. 駒沢あたりで
3. ビール・ストリート
4. 愛をうたってみせるほど
5. ばびぶぶべべ
6. オレンジ・キャラバン
7. 祈り
8. 君におやすみ

作詞・作曲:加川良(「駒沢あたりで」 作詞・作曲:菊田修一)

レイジー・ヒップ
長田和承 - guitar
安田直哉 - guitar
岩本千秋 - vocals
菱川英一 - keyboards
山本正明 - bass
野口実智男 - drums

発売 1976年7月25日

Kenny Drew / Kenny Drew Trio

CD帯から。「若きケニー・ドリューの代表作として知られる1枚。スタンダードを中心に、デューク・エリントン、セロニアス・モンク、そして自作曲を交えて、マイルス・デイビス・クインテットで活躍するリズムセクションと組んで溌剌としたトリオ・ミュージックを創造する。若々しいプレイと共にドリューの名人芸も楽しめる」。ここでの自作曲とは7曲目のBlues For Nicaのこと。そして、本作が録音された時期、マイルスはアルバムCookin'などのセッションを行なっている。そのリズム陣と組んだ訳であるが、ドリュー自身のマイルスとの共演は、1951年にわずかなセッションが残っているだけ。つまり、マイルスからは認められなかったドリューのピアノスタイルと言えるのだ。

だが、スイングジャーナル誌は本作を認め、ゴールド・ディスクに選定。演奏内容はゴールドで輝いているが、少年2人を写したジャケットがあまりにも暗すぎる。英語原文のライナーノーツには、白黒写真の創設者Roy De Carava(ロイ・デ・カラヴァ)による写真で、このアルバムとの関連性はないと書いている。では、なぜにカラヴァの写真を採用したのか。本作は超スタンダード曲Caravanで幕を開ける。つまり、CaravanからCaravaの連想と見抜いたのだが…。真相はいかに。

1. Caravan
2. Come Rain Or Come Shine
3. Ruby, My Dear
4. Weird-O
5. Taking A Chance On Love
6. When You Wish Upon A Star
7. Blues For Nica
8. It's Only A Paper Moon

Kenny Drew - piano
Paul Chambers - bass
Philly Joe Jones - drums

Recorded on September 20 & 26, 1956 in NYC.

国仲勝男 / 暖流

国仲勝男。山下洋輔が沖縄から発掘したベーシスト。「地の底から鳴り響く」とは少し言い過ぎかもしれないが、弦楽器であるベースを打楽器として、つまり右手の人差し指で弦を叩き鳴らすベーシストだった。「だった」というのは、洋輔との出会いの後、1981年2月録音の洋輔名義のアルバム『寿限無 Vol.1』の参加といくつかのライブ出演を最後に、故郷の沖縄宮古島に戻ってしまったから。

暖流である黒潮(日本海流)に乗って沖縄からやってきた国仲。洋輔とのセッションを繰り返し、十分に洋輔流ジャズを吸収できたと判断したのか。それとも、東京の水が合わなかったのか。「喰う寝る処ところに住む処ところ」は、やはり沖縄だと悟ったのだろう。

1. Umbrella Dance
2. Goodbye Prok Pie Hat
3. Bags Groove
4. Uganjo
5. Ca'purange
6. Nurna - Conter-Clockwise Trip

国仲勝男 - bass
山下洋輔 - electric piano (tracks 1,2), piano (track 3)
武田和命 - tenor saxophone (track 3)
小山彰太 - drums (tracks 1,3,6)
佐山雅弘 - piano (tracks 5,6)
坂田明 - alto saxophone (track 6)
清水靖晃 - tenor saxophone (track 5)
向井滋春 - trombone (track 5)
粉川忠載 - trombone (track 6)
古沢良治朗 - drums (track 5)

録音 1979年5月8, 9日 / オンキョー・ハウス・スタジオ