鼓童 / Gathering

「鼓童はジャズなのか?」と問われると、Yesとは答え難い。しかしながら、山下洋輔と日野皓正が参加しているので、このアルバムに関してはジャズ的と言っていいだろう。だが、このライブは少し無理があったと思う。鼓童の太鼓に洋輔は柔軟に対応する。だが、洋輔のピアノに鼓童は対応することができない。それは「一対多」という構図のため。観客は、非常に盛り上がっているものの、冷静に音源を聴くと、決めたシナリオ通りということが分かる。

鼓童がジャズミュージシャンの洋輔と皓正を巻き込んで、新たなアプローチを、というのは理解できるが、結局のところ、真剣勝負の場面は現れてこないのだ。詳しく調べていないものの、鼓童とジャズプレイヤーとのコラボレーションは、この後には行われていないようである。なので、鼓童はジャズではないのだ。

1. 眠りのライオン
2. 族
3. 海流
4. LION
5. 月の精
6. Island Fantasia
7. Never Alone
8. 彩

鼓童
日野皓正- trumpet (tracks 3,4,6-8)
山下洋輔 - piano (tracks 2,3,5,7,8)
Lecie Wright - vocals (tracks 1,7,8)

Recorded on July 24, 1991 at Shibuya Orchard Hall, Tokyo.

金本麻里 / Sings Jazz Standard

縁は大事にしたい。

昨年夏、東北の震災復興の様子を確認する旅がようやくできた。その旅の中で、訪問したかったのは盛岡のジャズ喫茶『開運橋のジョニー』。そして、出会ったのが金本麻里さん。今から考えると偶然。

青春18きっぷで新宿を出発し、石巻を北上して宮古まで。宮古から盛岡へはタイミングよく高速バスに飛び乗り、『ダンテ』、『パノニカ』、『ジョニー』とジャズ喫茶3軒梯子という贅沢な夜を満喫。ジョニーで快く迎えてくれたのが店主の照井さん。金本さんも店に現れさらにステキな夜に。

今年もジョニーを訪問し、金本さんに再会。ようやく手に入れることができたアルバムにサインもいただいた。

昨年、宮古駅前でちょいと一服などと煙草をくゆらせていれば、このアルバムには出会えなかったかもしれない。

旅すること。そこでの縁を大事にすることが自分のキホン。

1. Take The "A" Train
2. Love For Sale
3. Black Coffee
4. When You Wish Upon A Star
5. 港が見える丘
6. Summertime
7. アンダルシアの風
8. Autumn Leaves
9. My Favorite Things
10. All Of Me
11. It's Only A Paper Moon
12. 星めぐりの歌

金本麻里 - vocal
今田勝 - piano
古野光昭 - bass
田鹿雅裕 - drums

Released 2014.3.11

金本麻里 / ホープ・ガール

2016年8月、青春18きっぷを使っての東北一人旅。台風が関東から東北に近づく17日、何とか秋田から盛岡へ辿り着いた。そして、ジャズ喫茶『開運橋のジョニー』を一年ぶりに訪問。そのとき、マスターの照井顕さんからプレゼントしていただいたアルバム。たかだか二度目の訪問なので恐縮してしまったが、ありがたくいただいた。本作のプロデューサーは照井さん。照井さんの熱い思いと金本さんの希望に満ちた歌声が詰まったアルバムである。

全9曲のうち6曲がアカペラ。つまり、ボーカルソロ。ピアノソロのアルバムは数えきれないほどあるが、ボーカルソロは極めて珍しいだろう。しかも、デビューアルバムである。翌18日もジョニーを訪問。すでに金本さんはジョニーに来ていて、目の前で彼女のアカペラを堪能。贅沢な一人旅。作詞・谷川俊太郎、作曲・穐吉敏子のラスト曲「希望」が彼女の旅の始まりなのだろう。昨年、青春18でのジョニー再々訪問を計画していたが、コロナで断念。今年も現在の状況では残念ながら厳しそうだ。

1. Summertime
2. My Favorite Things
3. The Girls Ipanema
4. Moon River
5. My One And Only Love
6. Tennessee Waltz
7. 蘇州夜曲
8. ありがとう
9. 希望 - Hope

金本麻里 - vocal
加藤アオイ - piano

Tracks 1, 5 & 9
録音 2009年1月26日 / 北上さくらホール

Tracks 2 - 4, 6 - 8
録音 2009年2月2日 / さくらホール録音スタジオ