Joe Pass / Virtuoso

一本のギターでアルバムを作るというのは、それなりの覚悟がいるだろう。演奏側は極度の緊張感、リスナーに対して提供するのは解放感と僅かな緊張感。ジョー・パスが取った戦略は、スタンダード曲を中心にした構成。そして、一曲の長さは3分半から5分半程度。

40歳代半ばの挑戦。ジャケットの写真が録音を終えた時であれば、何とかやり切ったなぁという表情である。Virtuoso ― 名人芸。まさしく、アルバムタイトル通り。

1. Night And Day
2. Stella By Starlight
3. Here's That Rainy Day
4. My Old Flame
5. How High The Moon
6. Cherokee
7. Sweet Lorraine
8. Have You Met Miss Jones?
9. 'Round Midnight
10. All The Things You Are
11. Blues For Alican
12. The Song Is You

Joe Pass - guitar

Recorded on August 28, 1973 at MGM Recording Studios, Los Angeles.

Joe Pass / For Django

1曲目のジョン・ルイス作Djangoで、本アルバムの全てを語ってしまった感がある。あとに続く9曲には、これと言ったメリハリがある訳でなく、ゆったりと流れ過ぎて行く。

ジョー・パスとジョン・ピサノによるギター2本、そしてベースとドラムという構成で、ピサノはバッキングに専念。一曲一曲は見事な演奏なのだが、ギター同士の駆け引きなどはなく、アルバム全体を単調なものにしてしまっている。名演は必ずしも名盤にならないという見本。

1. Django
2. Rosetta
3. Nuages
4. For Django
5. Night And Day
6. Fleur D'Ennui
7. Insensiblement
8. Cavalerie
9. Django's Castle
10. Limehouse Blues

Joe Pass - guitar
John Pisano - guitar
Jim Hughart - bass
Colin Bailey - drums

Recorded on October 20, 1964 in NYC.

Johnny Griffin / Blues For Harvey

ディスコグラフィーを調べると、2日間のコペンハーゲンでのライブ演奏が、その順番でほぼCDに収められているようだ。そのため、ライブが徐々に熱くなってくる様子がよく分かる。

トラック4と8を除いて、グリフィンのオリジナル。どれも佳作ながら、これぞという曲は無し。ただし、6曲目のBlues For Harveyが終わると、グリフィンの声だろう、"Harvey!!"と叫んでいるのが聴こえる。その意味するところは…。ジャケット裏の写真に答えがあった。Griffin with Harvey Sand - his favourite Danish bartender from the Montmartre Jazzhus in Copenhagen.(グリフィンのお気に入りのバーテンダーであるハービー・サンド)。Little Giantのニックネームを持つグリフィンと、太っちょハービーのツーショット。しかも、葉巻を加えたハービーの左手にはボトル。グリフィンが右手に持つのは何か分からないが、とにかくご機嫌な二人が本作の出来をよく表している。

1. That Party Upstairs
2. Alone Again
3. Sound Track Blues
4. Theme
5. Soft And Furry
6. Blues For Harvey
7. Rhythm-A-Ning / Theme

Johnny Griffin - tenor saxophone
Kenny Drew - piano
Mads Vinding - bass
Ed Thigpen - drums

Recorded on July 4 & 5, 1973 at Jazzhus Montmartre, Copenhagen, Denmark.