J.R. Monterose / The Message

『ジャズ批評No.48/特集テナーサックス』(昭和59年8月20日発刊)では、主要テナー奏者43人が取り上げられ、モンテローズは後藤雅洋氏が担当。モンテローズの紹介というより、1975年に復刻されるまで「超・幻の名盤」だった本アルバムを詳細に解説している。以下はその骨子。

ブルーノートのリーダーアルバムはそれほどのものでなく、ミンガスの『直立猿人』(56年1月録音)では彼の個性が少々殺されている。そして、ケニー・ドーハムとの双頭コンボThe Jazz Prophets(56年4月録音)では熱演しているものの、彼の最善のものがThe Messageで出し尽くされていると結論付けている。かつて「超・幻の名盤」だったアルバムは、「真の名盤」だったということである。後藤氏は縦横無尽に聴き比べていて、勉強になるのだ。

1. Straight Ahead
2. Violets For Your Furs
3. Green Street Scene
4. Chafic
5. You Know That
6. I Remember Clifford
7. Short Bridge

J.R. Monterose - tenor saxophone
Tommy Flanagan - piano
Jimmy Garrison - bass
Pete La Roca - drums

Recorded on November 24, 1959 at New York.

J.R. Monterose / J.R. Monterose

J.R.モンテローズのことを勉強しようと思い、『ジャズ批評No.48/特集テナーサックス』(昭和59年8月20日発刊)を本棚から取り出してきた。特集の中には、主要テナー奏者43人が取り上げられ、モンテローズは後藤雅洋氏が担当。本アルバムについての解説かと期待したら、モンテローズの幻の名盤The Messageを掘り下げている。不覚にもThe Messageは所有しておらず、すぐにネットで探し始め、良好な中古CDを見つけて即注文。勉強にはお金が必要だ。

本アルバムは、1956年にブルーノートに吹き込んだ初リーダー作品。その次のリーダー作品がThe Messageで、59年にジャロというマイナーレーベルで録音している。66年の生涯でリーダーアルバムは6枚のみ。必ずしも恵まれたジャズ人生ではなかったのかも知れないが、ジャケットからはジャズを心から愛していたことがうかがえる。

1. Wee-Jay
2. The Third
3. Bobbie Pin
4. Marc V
5. Ka-Link
6. Beauteous
7. Wee-Jay [alternate take]

J.R. Monterose - tenor saxophone
Ira Sullivan - trumpet
Horace Silver - piano
Wilbur Ware - bass
Philly Joe Jones - drums

Recorded on October 21, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

J.J. Johnson / Blue Trombone

3つのセッションを1つのまとめたCDであるが、LPでリリースされたときは1957年4月と5月のセッションによる6曲だけだった。CD化に際して、57年1月と55年6月のセッションから7曲がボーナストラックスとして追加され、ごちゃ混ぜ状態になってしまった。なので、アルバムBlue Tromboneとして聴くには最初の6曲目までである。7曲目以降は参加ミュージシャンも異なるし、J.J.ジョンソンが主役なのかも怪しい。

まぁ、そういうことはわきに置いて、J.J.ジョンソン、トミー・フラナガン、ポール・チェンバース、マックス・ローチという顔ぶれのセッションを集中して聴くと、冴え渡るローチのドラミングが極めて印象的だ。トロンボーンという楽器の宿命で、スピード感のある小気味の良いフレーズを醸し出すことは難しい。そこに、ローチのドラムが見事に入り込んでくる。Blue Tromboneというタイトル。都会的なジャケット。ローチの下支えがあったからこそのアルバムである。

1. Hello Young Lovers
2. Kev
3. What's New
4. Blue Trombone
5. Gone With The Wind
6. 100 Proof
7. Our Love Is Here To Stay
8. Portrait Of Jenny
9. Pennies From Heaven
10. Viscosity
11. You're Mine, You
12. Daylie Double
13. Groovin'

J.J. Johnson - trombone
Hank Mobley - tenor saxophone (tracks 9-13)
Tommy Flanagan - piano (tracks 1-7)
Horace Silver - piano (tracks 8-13)
Paul Chambers - bass (tracks 1-6, 8-13)
Wilbur Little - bass (track 7)
Max Roach - drums (tracks 1-6)
Elvin Jones - drums (track 7)
Kenny Clarke - drums (tracks 8-13)

Tracks 1 - 6
Recorded on April 26 & May 3, 1957 in NYC.

Track 7
Recorded on January 29, 1957 in NYC.

Tracks 8 - 13
Recorded on June 6, 1955 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.