Jackie McLean / Bluesnik

後藤雅洋著書『ジャズ喫茶のオヤジはなぜ威張っているのか』を読んで購入したアルバムの一つで、輸入盤を手に入れた。偶然かも知れないが、CDのラベルBLUE NOTEの背景色がジャケットの淡い青と一致している。そんなことで、ジャッキー・マクリーンによるタイトル曲Bluesnikは、Blue + Snikと、勝手に思い込んでいた。ところが、Snikなる単語は辞書に見当たらない。Blues + Nikならば、Nikは「…行う人」とあった。つまり、「ブルース野郎」ということだ。

そう言えば、beatniks(ビート族)という言葉があったことを思い出した。Bluesniks(ブルース族)としなかったのは、「オレがブルースの第一人者だ!」というマクリーンのこだわりだろうか。さて、後藤氏は、このアルバムを「アナログ時代のB面の名盤。4曲目Cool Green以降のしみじみとしたマイナー調が魅力」と評している。同感である。別テイクを除けば、4曲目以降にマクリーンの作品はない。曲名はBluesnikでも、アルバムタイトルはBluesniksにすべきだったろう。

1. Bluesnik
2. Goin' 'Way Blue
3. Drew's Blues
4. Cool Green
5. Blues Function
6. Torchin'
7. Goin' 'Way Blues [alternate take]
8. Torchin' [alternate take]

Jackie McLean - alto saxophone
Freddie Hubbard - trumpet
Kenny Drew - piano
Doug Watkins - bass
Pete La Roca - drums

Recorded on January 8, 1961 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Jackie McLean / Jackie's Bag

1959年1月と60年9月のセッションを収録したアルバム。ジャッキー・マクリーンは当然だが、共通するメンバーはポール・チェンバースだけ。つまり、関連性のない2つのセッションを1つにまとめ、まぁ難しいことは考えずにバッグに詰めちゃったということだ。だが、2つには1年8ヵ月もの開きがある。

59年録音の3曲だけでは曲数が足りなかった。そう考えるのが普通だが、中途半端でスタジオを去るとは思えない。ソニー・クラークが1曲目に参加していないのが不自然なのだ。参加した残りの2曲もクラーク節が全く感じられない。つまり、クラークが絶不調のため、セッションを途中で打ち切ったと考えられる。さらに、本作のリリースは61年6月。59年10月録音のアルバムSwing, Swang, Swingin'のリリースが60年3月。60年4月録音のアルバムCapuchin Swingは60年12月リリース。つまり、ブルーノートはバッグ詰めの時間差攻撃に出たということ。

1. Quadrangle
2. Blues Inn
3. Fidel
4. Appointment In Ghana
5. A Ballad For Doll
6. Isle Of Java
7. Street Singer
8. Melonae's Dance
9. Medina

Tracks 1 - 3
Jackie McLean - alto saxophone
Donald Byrd - trumpet
Sonny Clark - piano (tracks 2,3)
Paul Chambers - bass
Philly Joe Jones - drums
Recorded on January 18, 1959 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Tracks 4 - 9
Jackie McLean - alto saxophone
Tina Brooks - tenor saxophone
Blue Mitchell - trumpet
Kenny Drew - piano
Paul Chambers - bass
Art Taylor - drums
Recorded on September 1, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Jackie McLean / Capuchin Swing

タイトルとジャケットから、何らかの主張があるように思えるアルバム。だが、それらは後付けのような感じだ。Wikipediaによれば、Capuchinとは中央・南アメリカ産のサルとある。ジャッキー・マクリーン自身が、このサルをペットとして飼っていたのかは分からないが、ジャズのアルバムのジャケットに本物のサルを使ったのは、この1枚だけではないだろうか。

タイトル曲Capuchin Swingはマクリーンの作品。前作のアルバムは1959年10月録音のSwing, Swang, Swingin'なので、本作はサルだってスイングするほどの出来栄えということだろうか。当時としては、最強のメンバーによる演奏だのだが、アルバムとしては可もなく不可もなしという感じ。名演奏が随所に光るものの、名曲を配置できなかったことにあるのだろう。サル・・・ではなく、マクリーンも木から落ちる、ということなのだ。

1. Francisco
2. Just For Now
3. Don't Blame Me
4. Condition Blue
5. Capuchin Swing
6. On The Lion

Jackie McLean - alto saxophone
Blue Mitchell - trumpet
Walter Bishop Jr. - piano
Paul Chambers - bass
Art Taylor - drums

Recorded on April 17, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.